山本七平に学ぶ イスラエル建国

山本七平に学ぶ イスラエル建国



移住した70万人はほとんどアラブ圏から

 山本七平は、独立直後にイスラエルに移住したユダヤ人のほとんどはアラブ系だと解説しています。

 イスラエル独立宣言の1948年にアラブ圏には約77万4000人のユダヤ人がいたところ、1973年には5万3000人に減少しており、アラブ圏からはイスラエル建国直後に移住した約70万人とほぼ同程度の人口が消えていることを指摘しています。

 アラブ圏の中でも、イラク・リビア・エジプト・アルジェリア・イエメンのユダヤ人はほぼゼロになり、残った53000人は大半がモロッコとのことです。

西欧で迫害された70万人という誤解

「ある日本の雑誌に、『確かに古くからパレスチナを開拓して住みついたユダヤ人もおりましたが、問題なのは、第二次大戦後、西欧における迫害のため七十万人のユダヤ人がドッとなだれ込み、その結果パレスチナ戦争が勃発し、”二百数十万”の難民を生じたことです。ユダヤ人もアラブ人もそれまで仲良く暮していたのですが、この結果、両者が憎み合うようになったのです。結局、ヨーロッパにおける迫害が、ユダヤ人を迫害も差別もしたことのないアラブ人に、こういう苦しみを与えたわけです……』という記事が載っていた。」

移住者のほとんどはアラブ圏から

「イスラエル独立直後に移住した七十万人は、西欧からでなくアラブ圏からだ、ということからはじめねばなるまい。不思議なことに(いや当然のことに、かも知れぬ)この七十万人は日本のマスコミによって完全に黙殺されているのである。一九四八年当時、アラブ圏に住むユダヤ人は約七十七万四千人、それが七三年には五万三千人になっている(その殆どはモロッコ)。」

全ユダヤ人口の92%がイスラエルに移住した

「全ユダヤ人人口の約九二%がその地を引揚げてイスラエルへ移住したこういう例はきわめて珍しく、他に類例がない。その中でも、イラク、リビア、エジプト、アルジェリア、イエーメンは、ゼロに近くなっている。確かに西欧・東欧・アメリカからも移住したが、全ユダヤ人人口とイスラエルへの移住人口との比率において、これほど極端なものは、おそらく他にないであろう。」

「このアラブ圏のユダヤ人は、イスラム発生以前、否ローマ帝国によって支配される以前からその地に住む、いわば”先住民族”であって、その歴史は、イスラム全史よりはるかに長い。」

「また彼らは移住において全財産を没収され(総計五十億ドルとも九十億ドルとも推定される)、難民としてイスラエルに到着し、テント村から出発したわけであった。」



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