有限会社から株式会社への移行

有限会社から株式会社への移行



通常の株式会社への移行

 有限会社は、通常の株式会社に移行することができます。

株主総会の特別決議

 通常の株式会社への移行は、株主総会特別決議で、商号中に株式会社という文字を用いる定款の変更をします。

登記により効力が生ずる

 株主総会の特別決議後、本店の所在地において移行の登記をすることによって、その効力を生じます(整備法45条)。
 
 実務的には、2週間以内に、本店の所在地において、有限会社について解散の登記、商号の変更後の株式会社については設立の登記をします(整備法46条)。

 「商号の変更」という形式でありながら、解散と設立の登記をすることになります。これまでの有限会社の登記記録は閉鎖されます。

取締役・監査役の任期はどうなるのか?

 有限会社の取締役および監査役の任期の上限はありません(整備法18条)。しかし、通常の株式会社に移行すると、会社法332条または336条の制限が課されるため、任期が設定されます。

 株式会社への移行にともない、従来の取締役・監査役はどうなるのかというと、基本的には、従来の取締役・監査役が、そのまま移行することになります。しかし、従来の取締役・監査役が既に新たに課される任期の制限を超える期間在任しているときは、株式会社への移行と同時に、任期満了により退任することになります。

 有限会社から株式会社への移行の際に取締役・監査役が任期満了する場合には、移行を決議する株主総会において、移行後の取締役または監査役を予選しなければなりません。移行後の取締役・監査役を選任しない場合は、任期満了により退任した取締役または監査役が、これらの権利義務を有することとなります。権利義務取締役を前提とした移行による設立の登記は受理されますが、選任懈怠の状態になってしまいます。

取締役会設置会社になる場合の代表取締役の予選

 取締役会設置会社の代表取締役は、取締役会が決定します。

 特例有限会社に取締役会は設置できないので、移行前に取締役会により代表取締役を選定することはできません。このため、最初の代表取締役の選定は、移行後の株式会社の定款の附則にその氏名を記載するか、または定款に代表取締役を株主総会により選定する旨の定めを設け、移行を決議する株主総会においてこれを予選します。

取締役会を置かない株式会社になる場合の代表取締役の予選

 定款の定めに基づく取締役の互選により代表取締役を予選することは、(合理的な範囲であれば)差し支えありません。株主総会において取締役が全員再選されて取締役に変動を生じない場合には、移行を決議する株主総会で移行後の取締役を予選し、移行前の現在の取締役が移行後の代表取締役を予選することも、許容されています。

 他方、取締役の構成に変動が生じる場合、移行前の従来の取締役が、移行後の代表取締役を予選することはできません。この場合は、移行後の株式会社の定款の附則に最初の代表取締役の氏名を記載すしかありません。

 なお、定款に「代表取締役は取締役の互選により定める」旨の規定がある場合、定款を変更しない限り、株主総会により代表取締役を選任することはできないので、このような定款の規定がある有限会社では、移行後の最初の代表取締役を株主総会で選定するのではなく、定款に直接その氏名を記載すべきと考えられます。

登録免許税

 登録免許税は、解散については3万円。設立については、資本金の額×1000分の1.5(商号変更直前の資本金の額を超える部分は1000分の7)です。

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