高橋洋一博士に学ぶ 緊縮財政は良くない

高橋洋一博士に学ぶ 緊縮財政は良くない





 

マンデル・フレミング効果

 高橋洋一氏による、マンデル・フレミング効果の基本的な説明は、以下のとおりです。

「日銀はずっと金融引き締めを続けた。継続的な金融引き締め政策と財政政策の関係はどうなっているのだろう。これについては経済学の理論がすでにあり、それを『マンデル・フレミング効果』という。」

「マンデル・フレミング効果というのは、『変動相場制のときには財政政策は効かず、金融政策は効く。一方、固定相場制のときには、財政政策が効くが金融政策は効かない』という理論だ。」

バブル崩壊後の財政政策が失敗した理由

 高橋氏は、マンデル・フレミング効果により、バブル崩壊後の90年代の日本では積極的な財政政策が功を奏さなかったと述べます。

「変動相場制の日本で金融引き締め政策をすれば、いくら公共投資などの積極財政政策を採っても効果はない、というもので単純な理論でもある。」

「例えば、バブル後の日本は景気対策で公共投資を連発したが、この理論の通り、景気はいっこうに良くならず、巨額の国家債務だけが積み上がっていった。」

金融緩和のときの財政政策は有効

 高橋氏は、マンデル・フレミング効果を勘案しても、金融緩和のときには、積極的な財政政策に効果があると解説します。

「金融引き締めのときの財政政策は効果がない。逆に言えば、金融緩和のときに積極的な財政政策を採れば効果が出る、ということになるし、金融緩和政策を採ったときに緊縮財政をすれば金融緩和にブレーキをかけることになる。」

財務省はマンデル・フレミング効果を悪用する

 高橋氏は、緊縮財政論者が、マンデル・フレミング効果を曲解して宣伝し、緊縮政策を継続することに利用していると指摘します。

「マンデル・フレミング効果には若干注意も必要だ。これはマンデル・フレミング効果をモデル式として理解している者には当たり前なのだが、多くの読者は、マンデル・フレミング効果を言葉で単純な形でとらえる。」

「『変動相場制のときには財政政策は効かず、金融政策は効く』という表現で、財政政策は効かないというのは正確に言えば、金融政策をやらないという前提がある。十分に金融緩和していれば、利子率の変化、為替の調整などが起こらないので、財政政策は効くのだ。」

 「マンデル・フレミング効果を曲解し財政政策の無効をことさらに強調して緊縮財政に走る財務省は批判されるべきだ。」

メモ

 消費税増税論者や緊縮財政論者が、マンデル・フレミング効果を誤用・悪用することについては、中央大学教授の浅田統一郎氏も指摘しています。経済界の諸団体が口をそろえて「景気に影響の少ない消費税の増税により財政再建を」と言うのも、そうした論者の振り付けによるものでしょう。自分の主張に使えそうな結論部だけを拾い上げて理論構築をしてしまうのでしょうが、きちんとこのモデル式を勉強している人からみれば、モデルの前提を理解していないことによる間違い、ということのようです。

三橋貴明に学ぶ 消費税税を上げるな①
三橋貴明に学ぶ 消費税を上げるな②
高橋洋一に学ぶ 消費税を上げるな
宮崎哲弥に学ぶ 消費税増を上げるな
岩田規久男に学ぶ 消費税を上げるな
浅田統一郎に学ぶ 消費税を上げるな
高橋洋一博士に学ぶ 高度経済成長の理由
高橋洋一博士に学ぶ 復興特別税の問題点
高橋洋一博士に学ぶ 緊縮財政は良くない
高橋洋一博士に学ぶ「国債の真実」


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です