浅田統一郎に学ぶ 消費税を上げるな

浅田統一郎博士に学ぶ 消費税を上げるな



消費税は日本経済に悪影響を与えないという主張

 
 浅田統一郎氏は、マンデル=フレミング・モデルをもとに、「消費税は日本経済に悪影響を与えない」という主張をするものがいることを指摘します。

 「過去二回にわたって行われた消費税増税は日本経済に無視できない悪影響を与えたのであるが、消費税増税の悪影響を軽視して増税を正当化する発言が、財務省の影響下にある一部の経済学者や政治家等によってなされている。」

 「その経済学的根拠としてしばしば引き合いに出されるのが、以下の言説である。『マンデル=フレミング・モデルによれば、変動相場制のもとでは財政政策は、国民所得に影響を及ぼすことが出来ないという意味で無効になる。消費税増税も財政政策の一種であるから、消費税増税が国民所得や雇用に及ぼす悪影響はほとんどない。』」

マンデル=フレミング・モデルでも財政政策は有効

 浅田氏は、マンデル=フレミング・モデルは、「完全資本移動の小国モデル」という仮定に基づくものであり、その前提を欠く日本では、消費増税は国民所得に悪影響を与えることを解説します。

 「しかし、『変動相場制のもとでは財政政策は無効になる』という極端な結論は、『完全資本移動の小国モデル』という特殊な仮定に基づいていることは、あまり認識されていない。

 「日本は『不完全資本移動の大国』であり、この場合には、変動相場制下のマンデル=フレミング・モデルにおいても財政政策の効果は有効になり、消費税増税が国民所得や雇用に及ぼす悪影響は解消されないのである。」

2014年の消費税増税の悪影響が再び起こる

 浅田氏は、2019年に消費税を増税すれば、2014年の消費増税と同様に、インフレ目標の達成が遠のくことになると主張します。

 「事実、内閣府のデータによれば、2013年に『アベノミクス』が開始された当初は実質GDPの成長率は比較的高い年率2.0%であったが、2014年に消費税が5%から8%に引き上げられたときは、実質GDPの成長率は年率マイナス0.9%になってしまい、2%のインフレ目標の達成も遠のいてしまった(3%の消費税の増税により、物価水準が『一度限り』約2.4%上昇したが、このような物価上昇は『インフレーション』とは呼ばない)。

 「もし2019年に『予定どおり』消費税が引き上げられたら、確実に、同様の事態が発生し、現在好調の日本経済は、再び腰折れしてしまうであろう。」
 

アベノミクスの基本に帰れ

  
 浅田氏は、消費増税は延期ではなく中止し、金融緩和を継続しつつ、積極的な財政出動を行うべきだと主張します。

 「2019年10月に予定の消費税の増税は『延期』ではなく、『中止』すべきだと考えているが、それと同時に『アベノミクス』の基本に帰り、『第一の矢』の積極的金融緩和と『第二の矢』の積極的財政支出拡大を増税を伴わずに同時に行う『積極的な財政金融のポリシーミックス』を実行して、日本経済を一気に成長軌道に押し上げるべきだ。」

メモ

 消費税増税論者や緊縮財政論者が、マンデル・フレミング効果を誤用・悪用することについては、高橋洋一氏も指摘しています。経済界の諸団体が口をそろえて「景気に影響の少ない消費税の増税により財政再建を」と言うのも、そうした論者の振り付けによるものでしょう。自分の主張に使えそうな結論部だけを拾い上げて理論構築をしてしまうのでしょうが、きちんとこのモデル式を勉強している人からみれば、モデルの前提を理解していないことによる間違い、ということのようです。

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