司法書士の魅力

司法書士の魅力



会社をやめたい

 会社員以外の仕事ないのかなあと考える理由は人それぞれ、その理由も一つではなく複数あるのが普通です。「異常な上司に当たってしまった」「会社のビジネスの10年先が見えない」「従業員が薄給で働くことを前提としたビジネスモデルに絶望」「若い時だけで使い捨てにされそう」「組織に合わない」「今の給料で全国転勤は勘弁してほしい」。
 
 会社内でフリーになって需要のあるスキルが身につく分野の仕事をしていた人であれば、その仕事でフリーランスになることができます。しかし、そうでない人が会社員以外の仕事ないのかと考えた場合、多くの人が一度は士業の可能性に目を向けるのではないでしょうか。

 士業は、会社員類似の営業・オフィスワーク的なもので、個人で独立して営業して成立している職種です。会社員を辞めてほかの仕事をしたいときに、親和性が高いのが士業です。

 飲食などでの自営も考えるでしょうが、飲食店は設備投資にかかる初期費用が小さくない。そして、参入規制がないので過当競争の感は否めない。大資本のチェーンとも戦わなければならない。そこそこお客さんが入っているのに、3年程度で消えていく飲食店を、何度も見てきたはずです。もちろん、それでも志が飲食にあるというのであれば、そちらに向かうべきでしょうが、単に独立したいがための手段として選ぶのは、リスクが高いジャンルです。

 士業というと、「古びた規制産業」扱いする人もいますが、長い歴史があり、職業として成立してきたという実績があります。法的な独占分野があります。参入には資格試験という、一定の障壁があります。そして、士業の多くは、専門の法人を作ることはできますが、一般企業がそのままの姿では参入できない規制があります。大資本と競争することもありません。現代日本で、個人営業の自営が成立する条件が整っている、数少ない職種です。

主な士業

 主な独立開業系の士業には、
 
 ・弁護士
 ・公認会計士
 ・弁理士
 ・不動産鑑定士
 ・司法書士
 ・税理士
 ・土地家屋調査士
 ・社会保険労務士
 ・行政書士

などがあります。 

難易度

 上記のうち、もっとも資格試験合格が易しいのは、行政書士です。
 その次が、社労士と土地家屋調査士になります。

 弁護士・公認会計士・不動産鑑定士・弁理士・司法書士・税理士になると、多くの合格者が5年以上かけて勉強しているレベルになります。どれが難しいかは、個々人の適性等もあるので、何とも言えません。かつて、司法試験・公認会計士試験・不動産鑑定士試験が三大難関国家資格といわれました。不動産鑑定士は試験が論文式だから入っていたという側面が大きいところ、現在は人気が低迷し、受験者数も大変少なくなっています。弁護士と公認会計士は、制度上の格上感はありますが、試験の仕組みがすっかり変わりました。とくに、現行の司法試験につていは、あまりにも新規参入者が少ないため、「おそらくいまでも最難関はずではあるが、良く分からない」、というところです。
 
 これらの試験の難易度の比較については、様々な議論がありますが、司法書士が、最難関に近いレベルの難しい試験であることは確かですから、合格には数年以上の学習が必要になります。

司法書士の良いところ

①司法書士一本で生活できる

 司法書士は、司法書士業務一本で生活している人の割合が多くなっています。平均的な所得水準は弁護士や公認会計士に及ばないまでも、悪いものではありません。例えば、行政書士や社会保険労務士は、独立しても、それ一本で生活可能になる人はそれほど多くありませんし、短期での廃業者が多いのも現実です。ほかにも生活の糧を稼ぐ方法を考えながら、事業をはじめる必要があります。

②年齢は高くても問題ない

 司法書士では、30代前半の合格者は若者あつかいです。40代の合格者も一般的です。加えて、法務局を定年退官してからはじめる人もいます。年齢はあまり問題にもなりません。例えば、公認会計士は、試験に合格しても、監査法人等に就職し実務経験を積まなければなりません。数年前、公認会計士試験に合格したものの、少々年齢が高いため監査法人に就職できず、警備員をしている人の合格体験記が、ネット上を騒然とさせたことがあります。司法書士ならば、年齢が高ければ、配属研修で実務を見たら、すぐに独立すれば良いだけのことです。もともと異業種からの脱サラ組が多く、どの世界から入っても浮くことはありません。不動産決済の立会なども、ある程度の年齢のほうが、信用を得やすい面があります。
 
③大学院は不要

 司法書士は、受験のために学校に行く必要はなく、試験内容自体が実務的・専門的であるため、合格後は短期の研修のみで、即独立して成り立っている人が多い資格です。例えば、弁護士になるための司法試験は、(予備試験という例外ルートはありますが))受験のためにロースクールに通い、合格後もや司法修習があり、即独も一般的ではないため法律事務所に就職をする人がほとんどです。独立までの道のりは長く、学生が志望するならともかく、一度社会に出た人には、参入のハードルが高くなっています。

④顧問先なしで独立可能

 司法書士は、見込み客なしで独立している人がほとんどです。例えば、税理士は、顧問ビジネスなので、経験も顧客もなしでいきなり独立をするのは難しい仕事です。税理士事務所で働き、最初からある程度の見込み客を獲得してからのからの独立が通常パターンです。

⑤即独立は普通
 
 司法書士は、合格後研修を経て即独立する人は珍しくはありません。公認会計士などは制度上そのようなことはできませんし、弁護士でも即独は非常に不安視されます。税理士も、税理士事務所で稼働して実務経験を積み、一定の見込み客を確保してから独立するのが普通です。司法書士の即独のしやすさ、会社員を辞めて、早く独立して稼ぎたい人には、大きな利点です。

⑥試験は法律のみ

 司法書士の試験範囲は広く、民法・商法(会社法)・不動産登記法・商業登記法、を中心に、憲法・刑法・民事訴訟法・民事執行法・供託法・司法書士法から幅広く出題されます。10科目の法律分野をマスターするのは大変です。しかし、考えようによっては、試験の内容は法律一本です。例えば不動産鑑定士試験は、不動産の鑑定評価のほか、経済学・会計学なども学習します。土地家屋調査士試験では、法律だけでなく、測量のために数学的な学習も必要です。大学で経済学が得意であったとか、もとから数学が得意というような人にとってはアドバンテージがありますが、そうでなければ、習得が大変です。弁理士は、試験内容は法律中心ですが、実務においては機械や技術について理系の知識がないと困ることになります。一方、司法書士は、国語力以外の基本的学力は受験や実務にあまり関係ないため、どういう学歴・経歴の人であれ、参入しやすくなっています。

 以上のように、司法書士は、30代以降の脱会社員、独立開業には、非常に適した資格ではないかと思われます。
 難点は、試験合格が難しく、5年~10年勉強している人がたくさんいるという点です。もっとも、それだけの期間無職で勉強している人はまれで、最初の数年は専業で勉強し、受験レベルに達してからは働きはじめて数年後合格するとか、数年間働きながら勉強して、合格に近いレベルに達してから数年専業で勉強して合格するなどのパターンが多いようです。
 


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