司法書士 決済立会い業務の流れ

司法書士 決済立会い業務の流れ



 会社員以外の仕事を探している人にとり、試験さえ合格できれば独立開業が容易な司法書士は魅力のある士業です。その司法書士業務の中心となる不動産登記。中でも、売買決済の立会い業務は、司法書士にとって、収益性が高く、責任も重い、中核的な業務です。

 不動産売買で、もっともシンプルなのは、売買により所有権移転登記のみがなされて終わり、というケースです。

 これだけであれば話は単純なのですが、通常は、所有権移転登記以外にも、様々な登記が必要になります。
 
 例えば、

・売主の住所氏名が、登記上の住所氏名から変更されている場合は、登記名義人の住所変更、氏名変更登記を行う
・売主が買主から受領する金員で担保権者に弁済し(根)抵当権を抹消するパターンの場合は、弁済による(根)抵当権抹消登記を行う
・買主が、購入する不動産を抵当に入れて金融機関から融資を受ける場合には、抵当権設定登記を行う

ことになります。

 この場合、
 
・売買による所有権移転登記は、買主が権利者、売主が義務者
・弁済による(根)抵当権抹消登記は、売主が権利者、(根)抵当権を抹消される金融機関が義務者
・抵当権設定登記は、融資する金融機関が権利者、買主が義務者

となります。

 4つの関係者が、それぞれの登記における権利者や義務者として立場でかかわってきますので、事前の打ち合わせと調整が重要になります。

①依頼

②関係者に確認

③書類作成

④立会当日

⑤登記申請
 

⑥登記完了、書類の引き渡し
 

①依頼

 不動産仲介業者、金融機関、あるいは売主・買主の当事者から、不動産売買の登記依頼が入ります。

 決済日のスケジュールを確認して、受任可能であることを確認します。
 
 依頼者から、手元にある登記事項証明書・固定資産評価証明書等の書類一式をFAXしてもらい事案の概要を把握します。

 見積り書作成の依頼があれば計算してFAXします。見積りは必要書類がそろっていないと出せませんので、不足している場合はその旨を説明して、書類の確保を求めます。
 

②関係者に確認

 
 買主の仲介業者からは、
 
・買主本人が当日来れるのか?
 (本人が当日来れない場合は、事前に意思確認の機会を確保するための打ち合わせします。)

・登記する住所はどうするのか?
 (購入する住宅の住所で登記する場合は、決済前に住民票上の住所を新住所に変更しておく必要があります。)

・住宅家屋証明書の取得について
 (登録免許税の減税を受けられるケースかの打ち合わせをします。)
 
・決済に必要な書類を確保できているか?

 売主の仲介業者からは、

・売主本人が当日来れるのか?
 (本人が当日来れない場合は、事前に意思確認の機会を確保するための打ち合わせします。不動産を手放す側ですから、買主よりもさらに慎重な意思確認を行う必要があります。)

・売主の住民票上の住所は、登記上の住所と同じか?
 (異なる場合は、所有権移転の前に、所有権登記名義人住所変更登記が必要になり、登記の件数が増えます。司法書士報酬も費用も変わり、見積りの金額も変わります。)

・決済に必要な書類を確保できているか?

 抹消される(根)抵当権がある場合は、抹消金融機関と、

・抹消書類の事前確認の打ち合わせ
・抹消銀行の担当者が決済立会に出席するのか?
 (出席しない場合は抹消書類の受領についての打ち合わせ)

 買主が融資を受けて(根)抵当権を設定する場合には、設定金融機関から、

・設定する抵当権の内容の確認
・設定書類の受領時期(通常、決済立会日より前に受領します。必要書類は事前に十分に確認しておく必要があります。 )

などの打ち合わせをします。

③書類作成

 
 関係者から確認した内容をもとに、

 ・登記申請書の準備
 ・委任状の作成
 ・登記原因証明情報の作成
 ・設定書類の受領(設定書類は決済当日ではなく事前に受け取ります)
 ・報酬の請求書、領収書
 ・各種書類の預り証等の準備
 ・登記識別情報未失効証明の取得 

などを行い、決済日に備えます。

④立会当日

 ・当日の登記事項証明書を確認し、差押えや担保設定等がなされていないことを確認します。
 ・決済現場で本人確認、意思確認、必要書類の確認を行います。 
 ・立会後に、抹消書類を取りに行く場合は、売主と司法書士で行く場合と、司法書士だけで行く場合があります。
 

⑤登記申請

 法務局(地方法務局)で登記申請を行います。
 受領証を取得し、設定銀行にFAXします。

⑥登記完了、書類の引き渡し

 登記事項証明書を取得し、登記の内容を確認。登記完了証と、登記識別情報を買主に引渡します。



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