司法書士 役員就任の登記

司法書士 役員就任の登記

2週間以内に登記申請

 司法書士業務の商業登記。その中でも、役員変更は案件数が多い登記です。大きな売上げにはなりませんが、コツコツと売上を積み上げるのが司法書士業です。塵もつもれば山になり、馬鹿にはできません。

 取締役・代表取締役・監査役・会計参与などの役員に変更が生じた場合、変更が生じた時から2週間以内に変更登記を申請しなければなりません。

 役員の就任登記は、選任決議のあと、就任の承諾により効力が生じます。このため、2週間の申請期限は、選任されたときではなく、就任承諾の時からカウントします。

費用

 依頼者に、報酬と実費を説明します。

 実費の代表が登録免許税です。

 役員変更登記の登録免許税は、原則3万円です。しかし、資本金の額が1億円以下の会社は金1万円となりますので、ほとんどの会社が1万円です。

選任機関

 役員は、株主総会普通決議で選任します。
 普通決議とは、定款に別段の定めがなければ、議決権を行使することができる株主の過半数が出席し、出席した株主の過半数の賛成で決議することです。
 したがって、原則的な選任を証する書面は、株主総会議事録です。
 
 例外的に、種類株主総会議事録の添付が必要になる場合があります。取締役の選任につき拒否権を行使することができる種類の株式を発行している場合や、種類株主総会の決議によって取締役を選任する旨の定めがある場合です。

 なお、監査役の選任に関する議案を株主総会に提出するときは、監査役の同意が必要です(会社法343条)が、これは書面で添付する必要はありません。

就任承諾

 役員の就任による変更登記の申請には、当人の就任承諾を証するため、就任承諾書を添付します。
 被選任者が、株主総会の席上で就任を承諾した記載がある場合は、株主総会議事録を就任承諾書として援用できます。
 就任承諾書には、氏名だけでなく、住所も記載されている必要があります。株主総会議事録を就任承諾書として援用する場合は、住所も記載されていなければならない点に注意が必要です。
 

印鑑証明書

 

 取締役の就任登記の場合、就任承諾書に押印した印鑑について、印鑑証明書の添付が必要です。ただし、何度も印鑑証明書を提出する必要性は低いので、再任の場合は、印鑑証明書の添付は不要です。
 ただし、取締役会設置会社の場合は、代表取締役についてのみ印鑑証明書を添付します。一般の取締役は印鑑証明書の添付は不要です。
 この印鑑証明書を添付する場合、後述する本人確認証明書が不要になります。

本人確認証明書

 
 
 役員の就任登記の申請書には、本人確認証明書を添付します。ただし、再任の場合を除きます。再任かどうかを判断して、役員に本人確認証明書を求めることになります。

 本人確認証明書には、氏名のみならず住所も記載されていなければなりません。住所の記載は手書きのものでは難しく、当初から住所が記載されていない健康保険証やパスポートに手書きで住所を記載した物は、本人確認証明書としては使えません。運転免許証・住基カード・住民票の写し・戸籍の附票・印鑑証明書などを使用します。本人確認というと、顔写真付きの物を想像しますが、本人の実在性を証明する趣旨なので、住民票や印鑑証明書でも大丈夫なのです。運転免許証や住基カードは、必ず両面をコピーして使います。

 本人確認証明書が本当に必要なケースは、少し複雑です。別の用途で印鑑証明書を添付している場合は、本人確認証明書を省略できるからです。

 取締役については、取締役会を置かない会社であれば、再任の場合を除き、取締役の就任承諾書に、印鑑証明書を添付することになります。印鑑証明書の添付がある場合、本人確認証明書は不要です。また、何度も本人確認する必要はないので、再任の場合は本人確認証明書は不要です。このため、取締役会を置かない会社の取締役について、本人確認証明書を添付する場合はありません。
 取締役会設置会社の場合は、就任の際、代表取締役について印鑑証明書を添付しますが、一般の取締役は印鑑証明書を添付しません。このため、取締役会設置会社であれば、一般の取締役は本人確認証明書が必要になります。代表者である取締役は印鑑証明書を添付しているので、本人確認証明書は不要です。
 監査役については、取締役を設置していない会社でも、取締役会設置会社でも、就任承諾書に印鑑証明書は求められません。このため、最初に就任する際には、本人確認証明書の添付は省略できません。その後の再任の際には不要です。

 司法書士が依頼を受ける会社の多くは、取締役会を置かない会社ですので、取締役については、ほとんど本人確認証明書を用意しないでよいことになります。
 

書面作成

 
 役員の就任登記の依頼を受けた際には、依頼者からヒアリングした上で、会社法の規定を確認しながら、

・委任状
・登記申請書と別紙
・株主総会議事録
・株主リスト
・就任承諾書
・印鑑証明書
・本人確認証明書

等の書面を作成し、(地方)法務局に登記申請を行います。

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