不動産仲介業の報酬の仕組み(売買)

不動産仲介業の報酬の仕組み(売買)

 不動産仲介により、売買契約がまとまれば、仲介した不動産屋には、高額の報酬が入ります。
 
 仲介業の報酬には、法令上の制限があります。 

 

売買仲介の報酬の上限

 不動産仲介業の報酬は、宅地建物取引業法で上限が決まっています。

 第1項 宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買、交換又は 貸借の代理又は媒介に関して受けることのできる報酬の額は、国土交通大臣の定めるところによる。

 第2項 宅地建物取引業者は、前項の額をこえて報酬を受けてはならない。

 報酬の上限を、国土交通大臣が定め、これを超える報酬を受け取ることができない仕組みになっているのですね。
 
 ほとんどの不動産屋は、この上限を請求で媒介契約を結び、報酬をもらっていますね。

 そして国土交通省の告示(昭和45年建設省告示第1552号)で「宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買等に関して受けることができる報酬の額」が定められています。
 

報酬の計算方法

 

 不動産売買の仲介の報酬の上限は、具体的には、次のように、段階的に決まっています。

 ・取引額200万円以下の部分は、その5.4%以内

 ・取引額200万円超から400万円以下の部分は、その4.32%以内

 ・取引額400万円超は、取引額の3.24%以内

 ここで勘違いしやすいポイントとしては、1000万円の不動産ならその3.24%という単純な計算にはならず、うち金200万円部分は5.24%、うち金200万円部分は4.32%、そして残る600万円部分が3.24%、という要領になります。
 

速算式

 報酬の計算は上記のようになりますが、400万円を超える物件については、

  売買価格 × 3% + 6万円 + 消費税

という計算式で速算できます。

二倍以内

 上記の上限は「依頼者の一方」についてのものです。

 売主・買主の双方から依頼を受けた場合は、依頼者の両方から、それぞれ上記の手数料をもらうことができます。

 売主買主の一方のみを仲介し、一方は別の不動産屋が仲介した場合は、片方から手数料がもらえます。これを「片手」と言います。
 売主買主の両方を仲介した場合は、両方から報酬をもらうことができます。これを「両手」と言います。

不動産価格にスライド

 結局、売買契約を仲介すると、
 
 4000万円の物件の売買で、片手なら約136万円、両手なら約262万円
 3000万円の物件の売買で、片手なら約103万円、両手なら約206万円
 2000万円の物件の売買で、片手なら約 71万円、両手なら約142万円
 1000万円の物件の売買で、片手なら約 38万円、両手なら約 76万円
 
の報酬がもらえます。
 
 東京では4000万円の物件は少なくないでしょうが、地方都市だと大半の中古住宅が1000万円前後になるので、競争の激しさという要因を除外して考えると、文字とどおり、売上は桁が違ってきますね。

 

ダンピングは少ない

 上記のような金額が「上限」なわけですが、基本的に、大手から街の不動産屋さんまで、上限いっぱいの手数料を請求していますし、これで通用しています。上限であり、下限でもある、という状態ですね。
 それどころか、住宅ローン事務手数料など様々な名目で、雑多な手数料をさらに上乗せして請求し、これ以上の利益を得ているのが現実です。

<最低報酬額がない>

 「最低報酬額」「基本報酬額」として10万円というような報酬設定ができず、売買がまとまらなければ、売り出しをかけてもお金は取れないというのが宅建業の弱点でしょうか。売れない物件の仲介依頼を受けると、案内業務や事務処理をしても1円も生み出すことがなく、生産性が著しく低下しそうです。

 それでも、話がまとまった場合にとれる報酬は、デフレ下に、目先の営業資金欲しさにダンピングを繰り返し値崩れを起こした業界とは違い、まだ夢のある世界ですね。

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