スピード違反 レーダー式測定装置

スピード違反 レーダー式測定装置

 自動車・バイクの、速度違反を取り締まる、いわゆる「ネズミ捕り」。
 
 警察の日々の取締りによる存在感のおかげで、無謀な暴走車が減り、我々が安全な交通ができるのだと思う一方、本当に交通安全を願うなら、コソコソ隠れないで堂々とやったほうが、より抑止効果があるのではないか?、とも思ってしまいます。

 ところで、ねずみ捕りにかかった後、「そんなに速度出ていたかな?どうもおかしいのでは」、と思う人は多いようです。

装置と原理

 
 写真をみると、正式には、「レーダー式車両走行装置測定装置」となっていますね。

 装置の原理は、「電波のドップラ現象を利用して道路を走行中の自動車等の速度を測定する」というものです。

 走行中の自動車にマイクロ波を照射し、反射した電波の周波数から速度を計算しています。

 その計算結果が、下の装置に表示されます。

 反射した電波の周波数などのデータは、装置の中に保存されないそうです。
 このため、裁判になった時に、「しかるべき機関で解析してもらうから、計測時の周波数データを出してください」と言っても、警察は「そもそも存在しないので出せない」、と回答します。すべてがこの装置のなかで処理され、表示装置に速度として数値化されたものが唯一の証拠、すべてはブラックボックスの中です。

 とはいえ、原理としては誤測定はほとんど無いということにされており、仮に裁判になっても警察やメーカーのそのような証言を前提にして、話が進みます。

 こちら側は、原理自体は間違いないとして、計測結果が「おかしい」という線で主張するしかありません。

 裁判例を参考にして、現場で確認しておくべき点を見ておきましょう。
 

①設置ミスはありませんか?

 そもそも装置の設置をミスしていれば、当然ながら、誤った数値が表示されます。

 設置にあたっては、装置と道路の角度は要確認です。

 測定装置の上部に分度器のような角度を合わせる部品がついており、担当官はそれを見ながらマニュアルに従って道路に設置して角度を調整しますので、誤った速度が計測されたときは、すぐにこの装置自体の写真を撮らせてもらいましょう。
 
 そのうえで、現場で担当官にどのように設置されていれば適切なのかを確認し、その場で正しい角度に設置されているかを確認しましょう。ひょっとしたら、朝設置した時は正常でも、その後何かの衝撃でズレている可能性は十分あり得ます。

 もし、適切な設置方法を説明しない意地悪な警察官なら、後日情報公開法に基づく請求をして警察に情報開示を求めます。

 何れにせよ、設置状態の写真を、上から、左右から、いろいろな角度から、残しておくことが大切です。

②メンテナンスはしていますか?

 
 機械は当然、故障するものです。

 メンテナンス業者による点検が、年に何回行われており、最新の点検日はいつかを確認しましょう。

 メンテナンスが1年に一度であれば、すでに前回のメンテナンスから、12カ月経過しているかもしれません。

 教えてもらえなかったら、情報公開法に基づく請求をする必要があります。

③当日の動作確認はしましたか?

 故障により、動作に異常が発生する場合はあり得ます。

 ①当日、電源投入時の内部動作チェックや音叉点検をしたか?

 ②試験測定による動作確認をしたか?
 
を、確認しましょう。
 
 裁判になると、警察側は、このような動作点検をしたことをもって、数値が適正であることの証拠のひとつとして主張します。

 逆に、こちら側は、その場で、これらの点検やチェックの有無や、現場にいるどの担当官が確認したのか、一人で行ったのか、二人で行ったのかを細かく確認して、言質をとっておいたほうがよいでしょう。
 
 実際、3名で取り締まりをしていても、計測する担当官が一人で設置やチェックを行い、残りの2名はこの装置の設置方法も操作法も詳細を知らず、1名は違反者に切符を切るための事務処理の準備を行い、1名は誘導作業をするための準備をしていたりという状態で、ダブルチェックが働いてないことが多いようです。

 試験測定はそもそもしていないこともあるようですから、していないならていないと、その場で言質をもらっておいたほうが良いでしょう。

おわりに

 
 ネズミ捕りに会った後で、上のような確認を警察官にするのは、何か騒ぎ立てるクレーマーのような、嫌な気分になりますね…。

 しかし、後に訴訟になった場合に、警察は、裁判所に、上記のような設置・確認をしっかりやりましたと主張して、容赦なく取締りの適正さをアピールしてきます。

 その結果、こちら側には何の証拠もないので、裁判所の判決文は、

 「速度違反取締りを開始する前に,音叉テストを実施するとともに,視準器により測定地点を確認した上,実際に走行中の車両を試験測定」

 「設置も,測定者や補助者により確実に行われている」

 「本件の測定者たる□□□□は,測定誤りを防止するために,本件測定器の使用方法につき,電波発射を手動発射に設定し,測定範囲に測定対象以外の車両がない場合のみに測定する,ホールドを手動に設定し,測定後に再度測定に誤りがないことを確認した上で確定させるなど,より確実な測定を行っており,測定された結果に誤りはない。」

などと、一方的に書かれて終わります。

 納得がいかない場合は、その場で装置の設置方法、装置の設定、点検や操作の適正さを確認し、設置状況については後日確認するために写真を撮影しておくのが重要ですね。

 なお、職務執行中の警察官に肖像権はありませんが、警察官の顔が入るように撮影すると怒り出すこともあります。よほどの美人警官ならともかく、おじさんたちの顔を不必要に撮影をして、ことを荒立てるのは疲れるし無駄ですから、やめておきましょう。手早く装置のみ撮影する旨を伝えてから、友好的に装置の設置状況を撮影することを目指したほうが得策です。

 交通課の警察官は、過度に威張る傾向があり、スムーズにいかないこともありますが、彼らもまた、やましいところがなければ、素直に、撮影を許し、設置の適正さを説明して、市民の理解を得るように努めるべきですね。

 なお、速度超過に心あたりがある場合は、時間の無駄ですので、素直に反省しましょう。

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