特集:双極性障害 山口達也さんも?

特集:双極性障害 山口達也さんも?

TOKIO山口達也さんも?

 一部週刊誌で、TOKIOの山口達也さんは、双極性障害の治療をしていた、と報道されています。

 真偽はともかく、性的逸脱は双極性障害の症状の一種ですから、山口さんの犯した失敗とつじつまが合います。

 また、この病気は周囲をとても困らせるものですので、会見で見せたほかの4人のメンバーの厳しい顔やコメントの内容、特に松岡さんの発言などは、一度失敗しただけの山口さんや、TOKIOのイメージダウンに怒っているというよりも、これまでも何度も山口さんの躁うつ病の症状に困惑させられてきたことによるものとして理解できそうです。

 
双極性障害とは

 「双極性障害」は、以前は「躁うつ病」と呼ばれていた、躁状態とうつ状態をくり返す病気です。

 うつ状態は、抑うつ気分があり、興味や喜びが失われたような症状のある状態のことです。
 これに加えて、夜眠れない、食事が美味しくない、何もする気になれないなどの症状が出ることがあります。また、悪化すると、「お金がない」「自分は重い病気にかかっている」「自分は犯罪を犯しているので刑罰を受けることになる」などの妄想が現れることもあります。

 2010年にナインティナインの岡村隆史さんが体調不良で休養する前のエピソードとして、相方の矢部浩之さんが、岡村さんが楽屋で「お金がないで!」と言い、銀行に行けばお金はあるでしょうと話しても、お金がないを繰り返し、会話にならなかったため、異変に気がつき休養を進めたと話していますが、これなどは、うつ状態による妄想の典型的なものと言えそうです。

 躁状態は、高揚し、夜も眠れず、興奮した調子で話し続けたりします。

 躁状態というと、ご機嫌で、元気がよくて、良いじゃないか、というイメージを持ちますが、この病気の躁状態とは、過度な興奮状態に入り、攻撃的であったり、傲慢になったり、金遣いが荒くなったり、性的に奔放になるなどして、周囲の人間を苦しめます。

 仕事などについては、アイディアが次々とわいてくることがあります(本人はとても良いアイディアだと思いますが、周囲からみると、そのアイディアはごく凡庸であったりします)。

 躁状態の患者は、自分の言動は正しいと感じており、周囲に異常を指摘されても、自分が病気であるという自覚を持つことはできません。病気や再発を指摘されても、攻撃的になり「お前が間違っているのを、人の病気のせいにしているだけだ。おれは正しいことを言っている」、などと述べます。

 うつ状態の暗く不機嫌な態度や無気力、躁状態の激しい言動や金遣い、性的逸脱行為などの影響で、仕事や家庭を失うことがあります。

1型とⅡ型がある

 双極性障害にはⅠ型とⅡ型があります。
 
 うつ状態はⅠ型もⅡ型も同程度で、違いは躁状態のほうにあります。
 双極I型障害は、極端な躁があり、双極Ⅱ型障害は、躁が軽いものです。

 極端な躁というのは、暴力、非常に強い興奮状態、無謀なことをするような状態です。
 軽い躁というのは、多弁、動き回る、気前がいい、という程度の人も含まれてきます。

 軽い躁なら、うつ病の人が調子よい時と同じようなものではないかという気もしますが、鬱病と双極Ⅱ型障害では、治療に用いる薬などがちがってくるし、うつ病よりも双極性障害のほうが再発が多いので、病気としては分けて考えることになるそうです。

治療方法

 現在のところ、薬物療法が中心で、それ以外は、普段のストレスを減らすなどの予防的ものしかないようです。 

 基本として用いられるのが、リチウム(商品名 リーマス等)、という気分安定薬です。
 これは治療にも予防にも用いられます。
 躁を改善し、鬱を改善し、自殺予防効果があります。
 副作用は、口がかわいたり、手が震えたりすることです。
 このほか、気分安定薬には、躁に有効な、バルプロ酸(商品名 デパケン等)やカルバマゼピン(商品名 テグレトール等)などがあります。
 こうした気分安定薬を中心に、抗精神病薬や、抗うつ薬を組み合わせて、治療します。

 概して、躁を抑える薬はたくさんありますが、双極性障害の鬱に有効な薬がほとんど無いそうです。
 単純に、うつ病で用いられる抗うつ薬を飲ませても、それが原因で躁に転じてしまうこともあり、薬の調整が難しい病気です。

 治療により、改善する病気ではありますが、再発が多い病気でもあり、治療を怠ると、何度も繰り返す傾向があります。

      参考文献「双極性障害」(加藤忠史、ちくま新書、2009)

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