探偵になるには

探偵になるには
 

 警察への届出だけで、ほぼ誰でも参入できる探偵業。未経験でいきなり開業する人も少なくありません。会社員以外の仕事ないのかなと探している人にとっては、資格不要・資本不要ではじめられるこの仕事は、選択肢の一つになり得ます。

浮気調査が大半

 探偵業者が掲げる調査項目には、浮気調査、家出調査、企業調査、結婚身元調査、盗聴器発見調査、ストーカー対策など多様なものがありますが、実際の依頼は、大半は浮気調査です。

 尾行や追跡等により、浮気の証拠となる写真や動画をとり、離婚訴訟に耐えうるよう、日時や場所の撮影者や撮影状況などを詳細に記した報告書を作る仕事です。

 浮気調査の依頼が圧倒的に多いのであれば、開業する際には、浮気調査専門で公告やHPを作り、探偵業務に慣れてから、ほかの業務に少しずつ手を広げていくほうがよいかもしれません。 

 浮気一本に絞れば、ノウハウも早く習得できますし、機材などの準備のための費用も安く済みます。

 家出人の捜索調査などは、依頼者からヒアリングした内容をもとに、立寄り先を確認してまわるくらいの調査になりがちです。何か特別な方法を期待する依頼者の期待に見合うだけの効果が見込める可能性は低く、報告書の内容も形式的な浅いものになりがちです。このような種類の業務は、独立当初から手掛けてもトラブルになりやすいと考えられます。

 浮気調査は、調査対象者ははっきりしていることが多く、依頼者側がある程度対象者の行動パターンを把握していることが多く、浮気していたとしてもいなかったとしても、ある程度の内容のある報告書が作りやすい分野です。

報酬

 探偵業の報酬については、特に法律的な上限規制などもありません。

 しかし、トラブルにならないよう、きちんとした基準を設けて、依頼者に説明すべきですね。

 浮気調査であれば、依頼者と打ち合わせ、調査する期間、調査する曜日、調査する時間帯、調査する方法(尾行・追跡)などを決めるのが一般的です。

 費用については、ガソリン代などの実費がかかることも考えなければなりませんし、常識的には、最低でも、1人あたりの時間単価5000円以上、深夜であればその1.5倍は頂戴しないと、事業としては成り立たないでしょう。

保険調査会社

 経験を積みたくても、探偵の求人は少ないですね。

 未経験からはじめる人が多い分、探偵業者は、「警察OBです」などと広告にいれるのが好きなようです。実際のところ、警察とは権限がちがいますので、組織と権限で仕事をしていた警察OBが、探偵としての調査能力に優れているなどということはないでしょう。しかし、依頼者にとっては、「元公務員だから捜査になれてるし、ぼったくったりや悪いことはしないだろう」、という安心感はあるかもしれません。

 保険会社から委託を受けて調査を行う保険調査会社は、多くが探偵業登録をしています。

 保険調査会社の主業務は、当事者・病院・警察などからのヒアリング、あるいは交通事故などの現場確認調査などをして保険会社に報告書を提出する仕事ですから、探偵のイメージとは外れますが、モラルリスクと呼ばれる不正請求事案については、尾行や、張り込み、聴きこみなどをして調査することがあります。例えば、「事故による怪我で車椅子になった」と主張している人の家に張り込み、歩いて街に出るところを撮影して保険会社に渡し、保険会社が裁判の証拠として法廷に出すというわけです。
 また、事故の加害者などと連絡が取れない場合にも、調査会社に依頼して、現地に行き、周辺への聴きこみなどをしてもらうこともあります。いわゆる所在確認業務ですね。このような業務も手掛けることから、探偵業登録をしているところがほとんどです。

 大手保険調査会社は、ほとんど常に、業務委託調査員を募集していますので、比較的容易に採用されます。未経験は不安だが、探偵の求人はないしという場合、少し経験しておくのもよいかもしれません。探偵業での開業を考えるなら、依頼者に前職などを聴かれることもありますから、一度在籍しておけば「大手の保険調査会社にいた」と言っても嘘にはなりません(実際には、不正請求事案はベテラン調査員が中心の仕事になりますので、少しばかり在籍しても、張り込みの交代要員などお手伝い程度になりますが、経験になるでしょう)。

 また、大手信用調査会社も、業務委託契約の調査員を募集していることが多いので、こちらにも登録すれば、企業信用調査の興信所的な業務の一端にかかわることができます。

探偵業の法律

探偵業の法律

探偵業

 探偵業を規制する法律は、平成18年6月に制定された探偵業法こと「探偵業の業務の適正化に関する法律」(平成19年6月施行)です。

 探偵業務を行う際には、警察への届出をする必要があります。

 探偵業務とは、他人の依頼を受け、特定人の所在又は行動についての情報であって当該依頼に係るものを収集することを目的として、面接による聞込み、尾行、張込みその他これらに類する方法により実地の調査を行い、その調査の結果を当該依頼者に報告する業務を言います(もっぱら、報道目的のものは除く)。

 依頼を受けて、特定の人について調査するために、周辺への聴きこみ・尾行・張り込み、などを伴うビジネスモデルを考えたら、探偵業の届出をクリアしておく必要があります。

資格試験はない

 探偵業は、資格不要、経験不要ではじめることができます。

 ただし、以下のような人物はできません。
 
1 成年被後見人若しくは被保佐人又は破産者で復権を得ないもの
2 禁錮以上の刑に処せられ、又は探偵業法の規定に違反して罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して5年を経過しない者
3 最近5年間に営業停止命令・営業廃止命令に違反した者
4 暴力団員又は暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者
5 営業に関し成年者と同一の能力を有しない未成年者でその法定代理人が1から4及び6のいずれかに該当するもの
6 法人でその役員のうちに1から4までのいずれかに該当する者があるもの

 ほぼ、誰でも、無試験で参入できるビジネスです。

警察への届出は必要

 探偵業を営もうとする者は、営業を開始しようとする日の前日までに、営業所ごとに営業所の所在地を管轄する都道府県公安委員会(所轄警察署経由)に、営業の届出をする必要があります。

 要するに、営業所の所在地を管轄している警察署で手続をすればよい。

 届出の際、個人の場合は、履歴書、誓約書、住民票の写し、市区町村発行の身分証明書(破産者でないことの証明)、法務局による登記がない事の証明書(成年後見人等でないことの証明)などが必要になります。

 法人の場合、登記事項証明書、定款、役員らの履歴書、住民票の写し、市区町村発行の身分証明書、誓約書、法務局による登記がない事の証明書(成年後見人等でないことの証明)などが必要になります。

 警視庁の書式 → http://www.keishicho.metro.tokyo.jp/tetsuzuki/tantei/shinsei_tantei.html

営業所は必要

 届出にあたっては、営業所の存在は前提条件です。

 自宅でも構いませんが、賃貸アパートでは、依頼者の信用も得られなしい、事業目的で借りてるわけでなければ賃貸人との契約違反になるので、ハードルは高そうです。

 もっとも、持ち家がなければ、一軒家を借りて、住居兼事務所にするという手はありそうです。

依頼者から誓約書をもらう必要がある

 
 依頼者と探偵業務を行う契約を締結しようとするときは、依頼者から、探偵業務の調査の結果を、「犯罪行為、違法な差別的取扱いその他違法な行為のために用いません」という書面の交付を受ける必要があります。

 事前に、文言のとおりの念書を作っておいて、そこに日付と記名押印もらえばいいだけです。

契約時に重要事項を説明する義務がある

 
 
 契約を締結する際には、探偵業法8条に決まっている事項を書いた書面を交付します。

 以下の事項を記載した書面を作っておき、契約締結の前後に渡します。
 
契約締結前には、
 
1 探偵業者の商号、名称又は氏名及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名
2 第四条第三項の書面に記載されている事項
3 探偵業務を行うに当たっては、個人情報の保護に関する法律(平成十五年法律第五十七号)その他の法令を遵守するものであること。
4 第十条に規定する事項
5 提供することができる探偵業務の内容
6 探偵業務の委託に関する事項
7 探偵業務の対価その他の当該探偵業務の依頼者が支払わなければならない金銭の概算額及び支払時期
8 契約の解除に関する事項
9 探偵業務に関して作成し、又は取得した資料の処分に関する事項

 を記載した書面を交付します。

 2番目は、広告・宣伝の際に使用する事務所の別名がある場合それを書けということです。
 4番目は、業務で知り得た秘密をもらしませんし、業務で得た文書・写真・資料を不正・不当に利用することもありません、という話です。

契約締結した際には、

1 探偵業者の商号、名称又は氏名及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名
2 探偵業務を行う契約の締結を担当した者の氏名及び契約年月日
3 探偵業務に係る調査の内容、期間及び方法
4 探偵業務に係る調査の結果の報告の方法及び期限
5 探偵業務の委託に関する定めがあるときは、その内容
6 探偵業務の対価その他の当該探偵業務の依頼者が支払わなければならない金銭の額並びにその支払の時期及び方法
7 契約の解除に関する定めがあるときは、その内容
8 探偵業務に関して作成し、又は取得した資料の処分に関する定めがあるときは、その内容

 を記載した書面を交付します。