賃貸不動産経営管理士とは

賃貸不動産経営管理士とは



国家資格になるかも

 はじめて「賃貸不動産経営管理士」という資格の名を聞く人は、「得体のしれない団体が受験料で稼ぐためにやっている民間資格のたぐいだろう」と考えるかもしれません。

 しかし、賃貸不動産経営管理士は、国土交通省の国家資格になる可能性を秘めた有望な資格です。

 この資格試験を実施しているのは「一般社団法人賃貸不動産経営管理士協議会」です。この団体は、公益財団法人日本賃貸住宅管理協会、公益社団法人全国宅地建物取引業協会連合会、公益社団法人全日本不動産協会、によって運営されています。

 もともと、それぞれ団体ごとに独自に資格を設けていた賃貸不動産管理についての業界統一資格を作るために、一般社団法人賃貸不動産経営管理士協議会が設立され賃貸不動産経営管理士制度が創設されました。現在、国会資格化を目指して運動しています。

 注目すべきは、宅建業の業界団体である、ハトマークの宅建協会とウサギマークの不動産協会の両者が関わっていることです。宅建協会も不動産協会も、それなりに政治力のある団体です。そうした各業界団体が一致協力して、国家資格化のため運動をしているということですから、それなりの成果が出る可能性は高いと言えます。

 不動産業界が一丸となって、賃貸不動産経営管理士の国家資格化を目指しているという状況です。

 国家資格になる場合、業界団体の意志が統一されていることは意外と重要です。行政側は、特定の団体のみを優遇した形にしたくないからです。この点、賃貸不動産経営管理士は、行政側からみても、国家資格化のための立法に向けた取り扱いがしやすいと言えます。
 
 

現在も公的資格

 賃貸不動産経営管理士は、既に単なる民間資格ではなく、公的資格となっています。

 国土交通省は賃貸住宅管理業者登録制度を設けています。

 これは一定のルールに従って賃貸管理業をしている登録業者を国交省が公開するという制度です。この制度のなかで、賃貸不動産経営管理士に一定の役割が与えらえれています。現時点において、ただの民間資格ではなく、公的資格になっている状態です。あくまで任意登録の制度ですが、将来的には強制力のあるものになることも考えられます。

 賃貸管理は不動産業においては、メジャーな分野です。社会問題化したトラブルも少なくありませんから、国が業者に一定の規律を与えて、不当な業者を排除する仕組みには、国家資格化の正当な理由になります。

 また、賃貸不動産経営管理士は、単なる賃貸管理ではなく賃貸「経営」の管理という点にも力点を置いています。近年、社会問題になっている「サブリース業者」、「空き家問題」、「民泊経営」などについても、賃貸不動産経営管理士がかかわっていくという内容になっています。こうした社会問題への結びつけは、国家資格化のために賃貸不動産経営管理士法を国会に提出する際、その必要性を政治家にアピールするのに有効です。

 国家資格化の可能性は、相当にあると言えます。

賃貸管理業務はメジャー分野だが資格が無い

 不動産屋の仕事は多様ですが、「売買・賃貸・管理」は多くの不動産屋が看板にあげている業務で、不動産業の三大メジャー分野といえます。

 このうち売買や賃貸の仲介は、宅地建物取引士という資格があります。しかし、賃貸不動産の管理業務には特に国家資格はありません。

 もちろん、アパートなどの管理業務の中で溶接や電気工事や重機の操作を行う場合にはそれぞれ資格が必要ですが、賃貸不動産の管理業そのものについての国家資格はないのです。

 賃貸不動産経営管理士は、このメジャー業務である賃貸管理についての公的資格となります。

管理業務主任者より有望?

 現在、不動産業者の従業員のための国家資格と言えば、宅地建物取引士と管理業務主任者があります。マンション管理士という資格もありますが、これは制度趣旨からいえば、不動産業者側というよりも、マンションの管理組合側の資格です。
  
 管理業務主任者は、主に分譲マンションの管理などを目的としたものです。管理業務主任者の試験の内容は宅建並みに難しいですが、宅建のような幅の広さはありません。分譲マンションの管理業者の従業員以外には意味が無いので、不動産屋に勤めていても必要のない人には取得のメリットがありません。

 一方、賃貸不動産経営管理士は、賃貸アパートや賃貸マンション等の賃貸管理業務を対象とする資格です。

 賃貸管理というのは、例えば、賃貸料・敷金などの受領、賃貸契約や賃貸契約の更新、賃貸契約の終了についての事務などで、アパートの管理会社をイメージすればいいでしょう。一般の人の不動産屋のイメージといえば、売買や賃貸の仲介をするほかに、賃貸管理をしている業者というイメージをもっているのではないでしょうか。
 
 もし賃貸不動産経営管理士が国家資格化されれば、分譲マンション管理を主たる業務とする業者はともかく、一般的な不動産会社では、まず宅建士が重宝され、次に賃貸不動産経営管理士が重宝され、管理業務主任者はその次ということになりそうです。
 
 不動産業に勤務する際には、まずは「宅建士と賃貸管理業務主任者を取れよ」となるでしょう。
 

早めにとっておくと得をする

 賃貸不動産経営管理士の合格率は、2013年は85%の合格率でしたが、2018年は50%程度となっており、約半数が落ちる試験になっています。
 
 宅地建物取引士(主任者)や管理業務主任者も、最初は合格率が高かったものの、現在は10%台になっています。賃貸不動産経営管理士も年々難化していくことが予測されますので、合格率が高いうちに取得しておくことはメリットがあるでしょう。

 なお、賃貸不動産経営管理士の令和元年の試験は1時間30分で40問の試験でした。

 令和2年度から2時間で50問の試験になります。

 

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