財務省の組織・局の序列 榊原英資に学ぶ

財務省の組織・局の序列 榊原英資に学ぶ



大臣官房

 元財務官の榊原英資によると、大臣官房の官房長は、「大臣・次官を補佐する重要ポスト」であり、歴代事務次官の多くは、「官房長から主計局長を経て事務次官」に就任している。

 大臣官房のトップは官房長で、「その下に総括審議官、政策評価審議官」が置かれ、「また、それぞれの局には審議官、参事官がいますが、彼らもまた官房に属しています」、とのことです。

主計局

 榊原英資によると、予算編成を担う主計局は、「まさに財務省の中心」であり、「主計局主査、主計官、主計局次長、主計局長などは典型的な出世コースのポスト」。

 主計局は、「主計局長の下に三人の次長がいて、それぞれの予算部門を担当」している。

 11人の主計官は課長級ポストで、担当は以下のように分かれている。

・総務課(2人、予算統括と企画)
・内閣、外務、経済協力
・防衛
・総務、地方財政
・司法・警察、財務、経産、環境
・文部科学
・厚生労働第一
・厚生労働第二
・農林水産
・国土交通、公共事業総括

 主計官の下には、「課長補佐である主査が2〜3人いて、それぞれの分野を受け持っています」。財務省内では、他局では課長・課長補佐と呼ばれているところ、主計局だけは主計官・主査と呼ばれている。

 予算編成は、「予算要求の基礎となる概算要求基準が6月に閣議決定されてから始まり、各省は8月末までに概算要求を主計局に提出します。この時、各省の中心になるのが会計課です。予算折衝と査定は9月に開始され、12月20日頃には財務省原案が内示されます。大臣折衝を含む復活折衝を経て12月24日頃、クリスマス前には政府案が決定されます。」、という流れによりなされる。
 

主税局

 主税局は、「国の税制の企画・立案を主たる仕事」であり、「その執行機関として国税庁を持っています」。

 税制第一課は「直接税」、税制第二課は「間接税」、税制第三課は「法人税担当」を担当する。

 主税局長は、「このところ3、40年を見ると、主税局長の経験者は大蔵事務次官か、少くとも国税庁長官になっています。」という重要ポスト。

関税局

 関税局は関税を扱い、主な仕事は「全国に九つある税関の監督・調整」となっています。
 
 関税局は、「財務省のなかではマイナーな局」であり、「関税局長は主計局長や主税局長等と違って最終的なポストになることが多い」。もっとも「同期20人前後のなかで局長になれるのは4〜5人ですから、関税局長といえどもなかなかの出世」、とされます。

理財局

 国の財産を管理する理財局は、「国庫・国債・財政投融資・国有財産管理等」を行います。

 財政投融資とは、「平たく言えば公のお金を使って行われる投資や融資です。財投債(財政投融資特別会計国債)の発行等によって調達した資金で、国が特殊法人等の財投機関に資金を供給し、財投機関はそれを原資として事業を行い、その事業からの回収金等によって資金を返済するという仕組みです。財政投融資は『第二の予算』とも呼ばれています。第一の予算である一般会計予算は、税及び国債によってその資金を調達し、歳出は貸出しや融資ではなく基本的に使い切られます。それに対し、第二の予算である財投は貸出しが基本であり、返済を前提としています。投資の場合は返済はないものの、事業収益による利益の還元が期待されています」。
 
 理財局長は、「理財局長の経験者は、その後、金融庁・国税庁・環境省などにいったり、官房長などの要職に就任したりと、人によってまちまち」、とのことです。

国際局

 国際局は、「為替だけでなく、国際経済の調査・分析、国際機関との連携・交渉、途上国支援の企画・立案等幅広い業務を行」っている部署。「局長・次長の他に二人の審議官がそれぞれの分野を担当しています。」。「経済外交という点では外務省を上回る権限を有しているともいえます。」、とのことです。
 
 国際局長は、「通常、財務官に就任します」。

 財務省内の国際派の牙城とされますが、主税局・主計局のような国内派の財務省本流と違い、「国際局長は次官と同格といわれる財務官にはなれますが、財務官の所掌は国際局と関税局の一部だけ。主計・主税・理財等広範な分野を所掌する事務次官とは格が違う」、とのことです。

まとめ

 官房長は、主計局長を経て、事務次官になる人が多い。
 主計局長は、事務次官になる。
 主税局長は、国税庁長官になる。
 国際局長は、財務官になる。
 理財局長は、事務次官コースに乗る人もいるし、そうでない人もいる。どこに進むか分からない。
 関税局長は、一丁上がりで退職。

 財務省の局の序列としては、事務次官を輩出する本流の主計局があり、その次に、税の専門家で国税庁長官(まれに事務次官も)を輩出する主税局と、財務官を輩出する国際局がある。そして、その次に、局長止まりで退職になる関税局がある、ということになりそうです。また、理財局は、この序列の中ではっきりしない位置にあり、出世コースの人もいれば、そうではない人もいる、中間的ポジションということのようです。

 参考:財務省機構図(平成30年1月現在)

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