中野剛志に学ぶ デフレは労働者を苦しめる

中野剛志に学ぶ デフレは労働者を苦しめる



反インフレ政策は富裕層の希望

 中野剛志は、反インフレ政策の背景には、金融資産を有する階級の利益があるという、ジョン・スミシンの指摘を紹介します。

 インフレは貨幣価値が下落する現象であり、債権の価値が下がり、債務の負担は実質的に軽くなることから、金融資産を有する階級にとっては損失となり都合が良くない。デフレは、金融資産を有する階級を利するが、労働者階級は損をする。このため、金融資産を有する階級が支配する社会は、インフレを抑制する経済政策を目指すことになる、と解説します。

「ジョン・スミシンは、1980年代以降、反インフレ政策が顕著になった背景には、金融階級の利害があったと論じている。インフレは貨幣価値が下落する現象であるから、債権の価値が実質的に下がり、債務の負担は実質的に軽減される。したがって、インフレによって金融階級は損をするが、労働者階級は得をすることになる。反対に、デフレは債務者たる労働者階級を苦しめるが、債権者たる金融階級には有利に働く。したがって、もし政治が金融階級に支配されるようになるならば、経済政策は低インフレを最優先課題とすることになろう。」

1980年代以降の金融化と低インフレ政策

 中野剛志は、1980年代以降、先進各国の金融政策は低インフレ最優先の政策となり、歳出削減、財政健全化が目指されるようになった、と解説します。

「金融化が進み始めたのは1980年代以降のことであるが、それと並行して、先進各国の金融政策は低インフレを最優先とするものになり、財政政策についても、歳出削減など財政健全化が目指されるようになったのである。」

グローバリゼーションはデフレ圧力を発生させる

 中野剛志は、グローバリゼーションが、デフレ圧力を発生させることを指摘します。

「物価水準を抑制するための政策は、金融引き締めと緊縮財政だけではない。貿易の自由化や労働移動の自由化、特に移民の流入もまた、賃金や物価の上昇を抑える効果をもつ。グローバリゼーションは、全般的に強力なデフレ圧力を発生させるのである」

財政健全化は富裕層に恩恵を与える

 中野剛志は、財政健全化やグローバリゼーションはデフレ圧力を産み、一般国民の賃金水準の抑制や失業を発生させる。そして、一般国民の犠牲のもとに富裕層や金融機関に恩恵を与える政策であると解説します。

「財政健全化やグローバリゼーションはデフレ圧力を発生させて、一般国民に、賃金水準の抑制や失業と言った犠牲を強いる。しかし、富裕層や金融機関が保有する大量の債権の価値はむしろ上昇する。財政健全化やグローバリゼーションは、大多数の国民の利益を犠牲にして、一部の金融階級に恩恵を与えるのである。」

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