中野剛志に学ぶ 商品貨幣論と信用貨幣論

中野剛志に学ぶ 商品貨幣論と信用貨幣論



商品貨幣論と信用貨幣論

 中野剛志氏は、貨幣に関する学説について、大きく分けて、商品貨幣論と信用貨幣論がある、と解説します。

「現在、貨幣を巡る学説には、大きく分けて『商品貨幣論』と『信用貨幣論』がある。」

商品貨幣論とは

 中野剛志氏は、商品貨幣論とは、物々交換の不便さを克服するため、利便性の高い金属貨幣を導入したと考える学説であるとし、主流派経済学(新古典派経済学)は商品貨幣論を前提にしている、と指摘します。そして、商品貨幣論では、金との兌換が保証されない現在の紙幣が流通している現象を説明できないと解説します。

「商品貨幣論とは、物々交換の効率の悪さを克服するために、交換手段として利便性の高い『物』として金属貨幣を導入したと考える学説である。」

「紙幣の価値の根拠は、あくまでも貴金属との兌換(交換)が保証されていることによる。」

「現在の主流派をなす経済学は、アダム・スミスを開祖とする『古典派』及びその後継たる『新古典派』という系譜を持つが、この『古典派』及び『新古典派』経済学もまた、商品貨幣論に立っている。」

「しかし、この商品貨幣論は、貴金属との兌換が保証されない不換紙幣の存在によって反証されてしまっている。例えば、米ドルは、1971年に金との兌換が停止されているにもかかわらず通貨として流通し続けているが、商品貨幣論ではこの現象を説明できないのである。」
 

信用貨幣論とは

 中野剛志氏は、信用貨幣論は、貨幣を「負債」とみなす学説であると、と解説します。

「信用貨幣論とは、貨幣を『商品』ではなく、『負債』の一種とみなす説である。例えば、イングランド銀行は、その季刊誌(2014年春号)に掲載された入門的な解説の中で、『今日、貨幣とは負債の一形式であり、経済において交換手段として受け入れられた特殊な負債である』として、信用貨幣論を支持している。」

中野剛志に学ぶ MMT(現代貨幣理論)①
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中野剛志に学ぶ MMT(現代貨幣理論)③
中野剛志に学ぶ MMT(現代貨幣理論)④
中野剛志に学ぶ MMT(現代貨幣理論)⑤
中野剛志に学ぶ 商品貨幣論と信用貨幣論
中野剛志に学ぶ 日本経済が成長しない理由
中野剛志に学ぶ デフレは労働者を苦しめる
中野剛志に学ぶ デフレを脱却する方法
中野剛志に学ぶ 新自由主義の問題点
中野剛志に学ぶお金の仕組み(通貨と経済成長)

大村大次郎に学ぶ 国税調査官の考え方

大大村大次郎に学ぶ 国税調査官の考え方



国税調査官にはノルマがある

 元国税庁調査官の大村大次郎氏は、国税調査官には徴収ノルマがある、と解説します。追徴税を多くとらなければ、出世できない仕組みになっていると指摘します。

「それは、『国税調査官にはノルマがある』ということである。先ほども述べたように、国税調査官の仕事というのは、建前のうえでは、納税者の申告が正しいかどうかをチェックすることである。しかし、税務署には、『より多くの税金を取ってくる』という暗黙の命題がある。そのため、国税調査官たちには、税務調査でより多くの追徴税を取ることが課せられている。これは、決して国税庁が認めることはないが、税務調査での追徴税というのは、勤務評定に確実に影響している。追徴税をたくさん取らなければ、絶対に出世はできないのである。」

ノルマがあるから国税調査官の不祥事が発生する

 大村大二郎氏は、このような徴収ノルマの存在を国税庁が認めることはないが、実際、国税調査官が書類を改ざんし、追徴税が多かったように見せかける不祥事が、何度も発生しているとのことが、その証拠だと述べます。

「そのため、国税調査官は、納税者の書類を偽造し、追徴税が多かったように見せかけるという不祥事を、数年おきに起こして新聞沙汰になっている。これは、国税庁内に追徴税のノルマがあるという、何よりの証拠なのである。」

国税調査官は手ぶらでは帰らない

 大村大二郎氏は、国税調査官が、税務調査の結果、何も問題点はなかったと言って引き上げることはあり得ない、と解説します。

「つまり、皆さんにまず心得ていただかなくてはならないのが、国税調査官は『納税者の申告が正しいかどうかをチェックするだけ』では決して飽き足らないということだ。ビルの安全管理の点検者のように、『すべて異常なし、めでたし、めでたし』で仕事を終えられるわけではないのである。国税調査官は、どうにかして、ほんのわずかでも追徴税を稼ぐことを狙っているわけなのである。」

  これは、我々の経験則とも一致する解説ですね。

国税調査官の簿記の知識は高くない

 大村大二郎氏は、国税調査官の会計知識は、それほど高度ではないと解説します。簿記の資格でいえば、多くは3級程度のレベル、と解説します。

「国税調査官は、それほど高度な会計知識を持っているわけではない。これは元国税調査官である筆者が、自分自身を謙遜して言っていることではない。実際に、高度な会計知識は持っていないのである。もちろん、ある程度は、会計知識を持っているが、よくて簿記2級程度である。簿記3級しか持っていない国税調査官も大勢いる。簿記3級というのは、商業高校の生徒ならば、普通に持っている資格で、大学生であれば1、2ヶ月勉強すれば取れる程度の資格である。」

 実際のところ、中小企業診断士やMBAを持っている人でも、決算書を用いて財務分析をする力はあっても、簿記の細かい知識となると2級程度もない人がほとんどではないかと思われます。その点をごまかしながら、実務をしているのが現状ではないでしょうか。財務分析となると、収益性・安全性・成長性・生産性の観点から行うことになりますが、税務調査となると、それよりもさらに見るべきポイントは限定的でしょうから、簿記3級程度というのは事実で不思議ありません。

国税調査官にはノルマがある

 大村大二郎氏は、決算書の嘘を発見するのは、必ずしも高度な会計知識は必要ない、と解説します。

「つまりは、決算書の嘘を見抜く際に、高度な会計知識はあまり必要ない、ということでる。言い換えるならば、決算書の本質を見抜くには、決算書をすべて読める必要はないのだ。」

「勘定科目のうち、重要となるポイントをいくつか押さえることができれば、決算書の本質がどうなのか、だいたいの流れはわかるのである。」

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大村大次郎に学ぶ 税務調査で狙われる会社

中野剛志に学ぶ MMT(現代貨幣理論)⑤

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アルゼンチンの財政破綻

 中野剛志氏は、プライマリー・バランス黒字化達成のために経済成長が停止し、黒字化と同時に財政破綻したアルゼンチンの例を示します。

「1990年代初頭に経済危機に陥ったA国は、IMF(国際通貨基金)に救済を依頼したところ、IMFから融資の条件として、2003年度を達成年次としたプライマリー・バランスの目標を突き付けられました。これを受け入れたA国は、歳出削減に励み、1998年以降はマイナス成長まで経験しましたが、何とか頑張って、目標年次より2年早い2001年1月、ついにプライマリー・バランスの黒字化を達成しました。そして、その年の暮れ、A国は財政破綻したのです!」

ギリシャの財政破綻

 中野剛志氏は、プライマリー・バランス黒字化達成のために経済成長が停止し、黒字化達成と同時に財政破綻したギリシャの例を示します。

「2008年の世界経済危機の打撃を受けたG国は、IMFに融資を依頼し、A国のように、『プライマリー・バランスの黒字化』目標を押し付けられました。その後、G国は、増税と歳出削減に励み、2013年、目標を達成しました。しかし、その代償として、G国のGDPの4分の1が吹っ飛び、失業率は26%超(若年層の失業率は60%)にもなってしまいました。そして、2015年、G国は、事実上の財政破綻に陥ったのです!」

財政健全化目標のために財政が悪化する無限ループ

 中野剛志氏は、デフレ下の日本では、プライマリー・バランスの黒字化を目指す必要はない、と述べます。なぜならば、プライマリー・バランスの黒字化のための増税や歳出削減は、かえって財政を悪化させるからです。

「日本は財政健全化を目指す必要はありません。それどころか、デフレなので、財政健全化を目指してはいけないのです。」

「財政健全化の努力が経済を停滞させ、財政をかえって悪化させる。そこで、また財政健全化の努力を続ける。平成日本は、まさにこの無限ループの中に巻き込まれていたのです。」

財政健全化のためには財政赤字の拡大が必要

 中野剛志氏は、財政を健全化したければ、財政赤字を拡大しなければならない、と逆説的な説明をします。なぜならば、財政赤字を拡大させ、デフレを克服し、経済が成長すれば、税収は増え、財政は健全化するからです。そして好景気になれば、今度は、過度なインフレにならないように、財政支出を抑制することができます。
 
「そこで、もし発想を転換して、財政赤字を拡大したら、どうなるでしょうか。財政は悪化しますが、それによってデフレは克服され、民間消費や民間投資が増え、経済が成長していきます。すると、税収が増える。景気が良くなり、インフレになるので、財政支出を拡大する必要がなくなる。というか、財政支出を抑制しなければならなうなる。財政支出を拡大し続けると、インフレが行き過ぎてしまうからです。」

「したがって、どうしても財政を健全化したければ、財政赤字を拡大しなければならないのです。」

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中野剛志に学ぶ 日本経済が成長しない理由

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平成の改革は新自由主義政策

 中野剛志氏は、橋本龍太郎政権以来の自民党の構造改革路線は、イギリスのマーガレット・サッチャー首相、アメリカのロナルド・レーガン大統領による新自由主義政策を手本にしたものだと解説します。

「平成の『改革』と手本となったのは、1980年代の英サッチャー政権や米レーガン政権が行った『新自由主義』の政策でした。」

「平成8(1996)年に成立した橋本龍太郎政権は行財政改革、経済構造改革、金融システム改革などの『構造改革』を掲げ、実行しました。」「その結果、日本は平成10年からデフレに突入しました。」

新自由主義政策が日本をデフレにした

 中野剛志氏は、1980年代のサッチャーやレーガンの政権時、英米両国はインフレに悩んでいたと指摘します。

 そして、新自由主義の政策は、インフレを抑制し、デフレを引き起こすための政策であり、平成10年以降の日本がデフレになったのは、新自由主義の思想に基づく構造改革によるものと解説します。

「公共投資をはじめとする財政支出の削減、消費増税、『小さな政府』を目指した行政改革、規制緩和、自由化、民営化、そしてグローバル化…。」

「これらは、いずれもインフレ対策です。『構造改革』とはインフレを退治するために、『人為的にデフレを引き起こす政策』なのです。」

「サッチャー政権やレーガン政権が試みたのは、『インフレを退治するために、人為的にデフレを引き起こす政策』でした。」

「平成日本は、デフレ対策が求められるタイミングで、『構造改革』と称するインフレ対策を実行しました。しかも、それを20年以上、続けたわけです。これでは、デフレにならないほうがおかしい。」

小泉政権下の金融緩和でデフレ脱却できなかった訳

 中野剛志氏は、小泉純一郎政権は、金融緩和というデフレ対策となる政策を行ったものの、一方で構造改革というデフレを引き起こす政策を取ったことから、デフレから脱却することができなかったと解説します。

「平成13年に成立した小泉純一郎政権は、インフレ対策の『構造改革』をさらに徹底させました。ただし、唯一、金融政策についてだけは、デフレ対策を行っていました。つまり、金融緩和です。しかし、金融政策だけデフレ対策をしても、他の政策はすべてインフレ対策なのだから、どうしようもありません。」

平成日本が経済成長できなかった理由

 中野剛志氏は、平成の日本が経済成長できなかった理由を、デフレ下においてインフレ抑制のための政策を続けたことからデフレが続いたことによるものと、解説します。

「日本政府が『デフレ下におけるインフレ対策』という愚行を続けてきたからです。それでデフレが続くようになった。だから、経済成長もしなくなった。」

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中野剛志に学ぶ MMT(現代貨幣理論)④

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MMTは健全財政論を否定する

 中野剛志氏は、MMTは、自国通貨を発行できる政府が財政破綻をすることはあり得ないことから、健全財政論を否定し、機能的財政論を支持する立場である、と説明します。

「MMTは、(中略)、『自国通貨を発行できる政府は、財政破綻を懸念する必要がない』と主張し、機能的財政論を支持し、健全財政論を否定します」

MMTは財政を無限に拡大する思想ではない

 中野剛志氏は、MMTに向けられる、パウエルFRB議長、黒田日銀総裁、ローレンス・サマーズなどの批判的主張を紹介します。すなわち、財政赤字を考慮しないMMTは極端な主張であり、ハイパーインフレを招く、支離滅裂(クルーグマン)なブードゥー経済学(サマーズ)である、という批判です。

「例えば、パウエルFRB議長は、『自国通貨建てで借り入れができる国は財政赤字を心配しなくてよいという考え方は間違いだ』と断定し、黒田日銀総裁も『財政赤字や債務残高を考慮しないという考え方は、極端な主張』と述べています。サマーズ氏も、財政赤字は一定限度を超えるとハイパーインフレを招くとして、MMTを批判しています。」

MMTはインフレ率に慎重な注意を払う

 中野剛志氏は、上記のようなMMTへの反応は、批判になっていない、と指摘します。そして、MMTはインフレ率を無視して財政赤字を拡大して良いという考え方ではなく、「財政赤字の大小はインフレ率で判断すべきだ」という考え方であると解説します。

「しかし、こうした批判は、批判の体すらなしていません。なぜなら、MMTとは『財政赤字の大小はインフレ率で判断すべきだ』という考え方です。ハイパーインフレになっても財政赤字を心配しなくてもよいという主張ではありません。それどころか、MMTの論者たちは、インフレを抑制する政策についても、いろいろと提言しています。」

批判者はMMTを理解していない

 中野剛志氏は、MMTをインフレリスクを考慮しない極論として批判をする主流派経済学者たちは、批判の対象を理解していないと解説します。

「それにもかかわらず、主流派経済学者、政策当局者、あるいは経済アナリストたちの多くは『MMTは、財政赤字によるインフレのリスクを考慮しない極論だ』という批判を展開しています。要するに、彼らは、批判の対象としているMMTを理解していないのです。」

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司法書士試験 足切り点と合格点

司法書士試験 足切り点と合格点



司法書士試験の足切りライン、合格ラインの差

 司法書士試験は、午前択一・午後択一・午後記述の各分野で、それぞれ一定の基準点をクリアしなければ、足切りされて不合格になります。

 足切りの基準点をクリアするだけでもなかなか大変ですが、各分野の足切り点を突破しても、それだけでは合格にはまったく届きません。択一式試験では、足切り基準点よりも、概ね9問程度は上積みしなければ合格は難しい仕組みになっています。

 受験の前に、足切点と合格点の差、足切りを突破することから、合格に至るまでの違いを確認しておきましょう。

平成30年度

 平成30年度は、満点280点中212.5点以上

 ただし、以下の基準点に達しない場合には,それだけで不合格となります

 午前択一  満点105点中78点(35問中26問)
 午後択一  満点105点中72点(35問中24問)
 午後記述  満点 70点中37点

 足切り点(基準点)を合計すると187点ですので、合格するには、足切り点から25.5点以上の上積みが必要になります。
 もし記述式の得点が、足切りライン程度が限界の場合、択一式であと9問確保する必要があります。

平成29年度

 平成29年度は、満点280点中207.0点以上

 ただし、以下の基準点に達しない場合には,それだけで不合格となります

 午前択一  満点105点中75点(35問中25問)
 午後択一  満点105点中72点(35問中24問)
 午後記述  満点 70点中34点

 足切り点(基準点)を合計すると181点ですので、合格するには、足切り点から26点以上の上積みが必要になります。
 もし記述式の得点が、足切りライン程度が限界の場合、択一式であと9問確保する必要があります。

平成28年度

 平成28年度は、満点280点中200.5点以上

 ただし、以下の基準点に達しない場合には,それだけで不合格となります

 午前択一  満点105点中75点(35問中25問)
 午後択一  満点105点中72点(35問中24問)
 午後記述  満点 70点中30.5点

 足切り点(基準点)を合計すると177.5点ですので、合格するには、足切り点から23点以上の上積みが必要になります。
 もし記述式の得点が、足切りライン程度が限界の場合、択一式であと8問確保する必要があります。

平成27年度

 平成27年度は、満点280点中218.0点以上

 ただし、以下の基準点に達しない場合には,それだけで不合格となります

 午前択一  満点105点中90点(35問中30問)
 午後択一  満点105点中72点(35問中24問)
 午後記述  満点 70点中36.5点

 足切り点(基準点)を合計すると198.5点ですので、合格するには、足切り点から19.5点以上の上積みが必要になります。
 もし記述式の得点が、足切りライン程度が限界の場合、択一式であと7問確保する必要があります。

平成26年度

 平成26年度は、満点280点中207.0点以上

 ただし、以下の基準点に達しない場合には,それだけで不合格となります

 午前択一  満点105点中78点(35問中26問)
 午後択一  満点105点中72点(35問中24問)
 午後記述  満点 70点中37.5点

 足切り点(基準点)を合計すると187.5点ですので、合格するには、足切り点から19.5点以上の上積みが必要になります。
 もし記述式の得点が、足切りライン程度が限界の場合、択一式であと7問確保する必要があります。



IMF 日本政府の財政が健全と発表



IMFが日本政府の財政の健全性を公表

 2018年10月、IMFが日本の財政の健全性を示す資料を公表しました。

 本調査は、IMFが年2回公表する「財政モニター(Fiscal Monitor)」。同調査は、IMFが、各国財政を持続可能な基盤に乗せるという観点から報告を行うものです。2018年10月公表の報告書は各国の資産・負債分析をテーマとしており、31か国を対象に、非金融資産も含めた資産・負債残高等について、中央銀行等も含めた公的部門全体ベースで分析しています。

 読み方は、

Nonfinancial assets = 非金融資産
Financial assets = 金融資産
Liabilities excluding pension = 負債(年金を除く)
Pension liabilities Net worth = 年金負債
General government debt = 一般政府の負債残高
Net worth = 正味の資産(資産-負債)

 すなわち、●の位置が、資産から負債を控除したポイントです。日本の場合、ほぼ完全に資産と負債が均衡する位置に●が有ります。
 これは、日本が、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツなどの主要な先進国よりも、財政状況が健全な状態にあることを意味しています。

高橋洋一博士の見解

 高橋洋一氏は、IMFには多数の財務官僚が出向しており、通常はIMFの対日レポートには、財務省の意向が強く反映される現実を踏まえたうえで、

「財務省の見解とはそぐわない見解が出たことに憤っているのであろう。からくりをいえば、IMFの『財政モニター』は、世界各国を対象としているものなので、日本が意見をはさんでも通りにくい。そのため、財務省にとって工作が難しいものだったのだろう。」(現代ビジネス「ニュースの真相」)

と解説しています。
 
 日本についてのレポートであれば財務省出向者の意見をそのまま押し通したものを作成できたが、本調査は31か国を対象としたものであるため、財務省出向者の工作が難しかったとの分析です。

田中秀臣教授の見解

 田中秀臣氏は、IMFには多数の財務官僚が出向しており、通常はIMFの対日レポートには、財務省の意向が強く反映される現実を踏まえたうえで、

「IMFはね、なんていいますかね、他にもスタッフがいて、その人たちはですね、アメリカとかイギリスにも隠れ借金があるということを言いたくて、いろんなことを調査したら、あら日本のガードが甘くなっちゃって、つい日本の財務省からすると発狂するような、『日本の借金がありませんでした』っていう報告を、去年の年末に出しちゃったんですよ。」(文化放送「おはよう寺ちゃん活動中」2019年4月16日放送)

と解説しています。

 
 

高橋洋一に学ぶ OECD報告は財務省の罠



OECDの対日経済審査報告書

 2019年4月15日、OECD( 経済協力開発機構)が「対日経済審査報告書」を公表しました。

 この報告書には、プライマリーバランスを黒字化するためには消費税率を20%から26%まで引き上げる必要があるとの試算が示され、さらなる増税や歳出削減に向けて具体的な計画を作成し実行する必要があるとの提言がなされています。

 同日、OECDのアンヘル・グリア事務総長は、日本記者クラブで記者会見を行い、同報告書をもとに、「本年10月に日本で予定されている消費増税は不可欠だ」、などと述べました。

OECD報告は財務省の布石

 高橋洋一氏は、OECDが発表した対日審査報告書は、消費税増税のための、財務省の布石であると分析を述べています。

「『これは財務省の布石だな』と感じたのは、4月15日に公表されたOECD(経済協力開発機構)の対日審査報告書である。同機構のグリア事務総長が日本で記者会見を行い、日本の財政健全化のためには、消費増税10%どころか、なんと26%までの引き上げが必要だと発言したものだ。」(現代ビジネス「ニュースの真相」)

報告書はOECDと財務省の合作

 高橋洋一氏は、OECDの対日審査報告書は、OECDと財務省の合作である、と指摘します。

「OECDの対日審査報告書は、日本政府、特に財務省の意向が色濃く反映されるからだ。というのは、対日審査報告書そのものが、OECDと日本政府(財務省)の合作であるし、財務省はOECDに有力な人物を派遣している。」(現代ビジネス「ニュースの真相」)

OECDと事務次長は元大蔵官僚

 高橋洋一氏は、OECDの事務次長は、玉木林太郎、河野正道のような、元財務(大蔵)官僚が就任していることを指摘します。
 
「たとえば2011年から16年までは、大蔵省に昭和51年に入省し、財務省財務官となった玉木林太郎氏がOECD事務次長を務めていた。その後任も、昭和53年大蔵省入省の河野正道氏が務めた。メディアでは、河野氏は金融庁出身と報じられているが、筆者からすれば旧大蔵省の官僚で、OECD事務次長のポストが大蔵省人事のひとつぐらいに扱われているように思える。」(現代ビジネス「ニュースの真相」)

消費増税26%は財務省の野望

 高橋洋一氏は、OECDの対日審査報告書の消費増税26%という結論は、実質的に財務省の意見であると解説します。

「それぐらい両者の関係は深いので、財務省の意向と真逆の報告がOECDから出るはずはない。筆者は、消費税26%は財務省の意見だと捉えている。」(現代ビジネス「ニュースの真相」)

田中秀臣氏も同様の指摘

 今回のOECD報告書が、実質的に財務省が関与するものであることについては、上武大学教授の経済学者田中秀臣氏も、同様の指摘をしています。

田中秀臣に学ぶ 消費税26%OECD報告



中野剛志に学ぶ デフレは労働者を苦しめる

中野剛志に学ぶ デフレは労働者を苦しめる



反インフレ政策は富裕層の希望

 中野剛志は、反インフレ政策の背景には、金融資産を有する階級の利益があるという、ジョン・スミシンの指摘を紹介します。

 インフレは貨幣価値が下落する現象であり、債権の価値が下がり、債務の負担は実質的に軽くなることから、金融資産を有する階級にとっては損失となり都合が良くない。デフレは、金融資産を有する階級を利するが、労働者階級は損をする。このため、金融資産を有する階級が支配する社会は、インフレを抑制する経済政策を目指すことになる、と解説します。

「ジョン・スミシンは、1980年代以降、反インフレ政策が顕著になった背景には、金融階級の利害があったと論じている。インフレは貨幣価値が下落する現象であるから、債権の価値が実質的に下がり、債務の負担は実質的に軽減される。したがって、インフレによって金融階級は損をするが、労働者階級は得をすることになる。反対に、デフレは債務者たる労働者階級を苦しめるが、債権者たる金融階級には有利に働く。したがって、もし政治が金融階級に支配されるようになるならば、経済政策は低インフレを最優先課題とすることになろう。」

1980年代以降の金融化と低インフレ政策

 中野剛志は、1980年代以降、先進各国の金融政策は低インフレ最優先の政策となり、歳出削減、財政健全化が目指されるようになった、と解説します。

「金融化が進み始めたのは1980年代以降のことであるが、それと並行して、先進各国の金融政策は低インフレを最優先とするものになり、財政政策についても、歳出削減など財政健全化が目指されるようになったのである。」

グローバリゼーションはデフレ圧力を発生させる

 中野剛志は、グローバリゼーションが、デフレ圧力を発生させることを指摘します。

「物価水準を抑制するための政策は、金融引き締めと緊縮財政だけではない。貿易の自由化や労働移動の自由化、特に移民の流入もまた、賃金や物価の上昇を抑える効果をもつ。グローバリゼーションは、全般的に強力なデフレ圧力を発生させるのである」

財政健全化は富裕層に恩恵を与える

 中野剛志は、財政健全化やグローバリゼーションはデフレ圧力を産み、一般国民の賃金水準の抑制や失業を発生させる。そして、一般国民の犠牲のもとに富裕層や金融機関に恩恵を与える政策であると解説します。

「財政健全化やグローバリゼーションはデフレ圧力を発生させて、一般国民に、賃金水準の抑制や失業と言った犠牲を強いる。しかし、富裕層や金融機関が保有する大量の債権の価値はむしろ上昇する。財政健全化やグローバリゼーションは、大多数の国民の利益を犠牲にして、一部の金融階級に恩恵を与えるのである。」

中野剛志に学ぶ MMT(現代貨幣理論)①
中野剛志に学ぶ MMT(現代貨幣理論)②
中野剛志に学ぶ MMT(現代貨幣理論)③
中野剛志に学ぶ MMT(現代貨幣理論)④
中野剛志に学ぶ 日本経済が成長しない理由
中野剛志に学ぶ デフレは労働者を苦しめる
中野剛志に学ぶ デフレを脱却する方法
中野剛志に学ぶ 新自由主義の問題点
中野剛志に学ぶお金の仕組み(通貨と経済成長)

高橋洋一に学ぶ 財務省は金利収入を隠す



政府には多額の金融資産がある

 高橋洋一氏は、政府の借金が1000兆円あるといっても、政府は資産も同程度あるのだから、資産を売って解決すればよいのではないかという考え方に対して、以下のような指摘をします。

 以下、引用は、いわんかな#22-2【財務省とメディアに誤魔化されるな!】での高橋氏の発言です。

「資産って、金融資産が多くて、金融資産ってどういうのかというと、貸付金と出資金なんですよ。で、どこに貸し付けて、どこに出資してるのっていったら、はっきりいって特殊法人って天下り法人だから。それいったら天下りできなくなるから、それでって話ですよ。」

政府は金融資産からの金利収入を予算に計上していない

 高橋洋一氏は、国債の利払いが財政を圧迫しているという考え方について、実際には、政府の金融資産から国債の利払い分と同程度の金利収入があるので問題は発生しないと解説します。

 加えて、金利収入があるのに、それを予算に計上しないから、日本の財政が危ないとか、利払いで大変だという議論が行われることになる、と指摘します。

「私は別に売れとも言ったことないわけ。あのね金融資産があってね、そこに貸付金と出資金があって、貸付金は実は国債と同じ金利が来るから、実は負債のほうで国債の借金の利払費をしてるんだけど、こっちの金融資産で金利収入が同じ額あるから、それはそれで売らなくてもまわるんですよ。まわるんだけどね、こっちの金利収入のほうは予算にのっけないから、だから大変だ大変だって言うんですよ。全部乗っけろってしか言いようがない。(中略)せめてこちらの金利収入は載っけろって。したら利払い費なんて全然大したことないのすぐバレる、分かるでしょ。」

金利収入を隠す会計テクニック

 高橋洋一氏は、政府の多額の金融資産からの金利収入を、予算に計上せず、会計上隠す手法として、子会社に準備金としてプールさせておく手法を解説します。

「けっこう簡単なんですよ金利収入を乗っけないで会計処理するのは。それ会計テクニックとしてあってですね、金利収入を載っけなくて、子会社の資産のほうに準備金をつくれば、載っかんなくて済むんですよ。だから金利収入払わないでずーっと子会社の資産だけふくらますんですよ。」

バランスシート(資産の部の確認)

 高橋洋一氏の説明を参考に、平成29年度の日本政府のバランスシート(借方)を、確認してみます。

 有価証券の118兆円は、多くが米国債ですから、金利が発生します。
 貸付金の112兆円は、地方公共団体や政策金融機関への長期・低利の貸付けですから、金利が発生します。
 運用寄託金の111兆円は、将来の年金給付のために積立てですから、運用利益が発生します。
 このほか、出資金74兆円は、日本郵政株式会社、株式会社日本政策金融公庫、日本電信電話株式会社、日本たばこ産業株式会社、各国際空港株式会社、各NEXCO、各国立大学等多岐に渡ります。日本郵政株式会社やNTT等の株式会社からは、株主として、配当金による収益があるものと考えられます。

 確かに、多額の金融資産と、金利収入・配当金等が存在することが確認できます。

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