不動産屋になる 価格査定

不動産屋になる 価格査定

査定価格を出す

 査定価格とは、「その価格で市場に出した場合には、おおむね3ヶ月以内に成約するであろう価格」のことです。
 不動産の売却仲介の依頼があった際には、まずは現地を調査した上で査定価格を算出し、売主と協議して売出価格を決めます。適切な査定評価により実際に購入希望者が現れるような価格設定をして、その価格で売りに出せば、ほぼ売れます。それで、報酬確保となります。
 もっとも、査定価格と売出価格が必ず一致するというわけではありません。売主からは、「最初はもっと高く売り出してほしい」ということは多々あります。
 価格が高すぎると売れなくなりますし、安すぎると売主を損させてしまいますし、売り依頼自体が取り消される可能性もありますので、しっかりと評価する必要があります。
 
 宅建業者は、不動産流通センターの査定価格マニュアルなどを用いて算出します。難しそうに思える査定評価ですが、一般の戸建住宅などでは、それほど難しいことはありません。特殊な施設を扱うことになった場合は、経験のある同業者や専門家等に相談してみればよいことです。地元の相場さえわかればよいのですから、毎日、地元の不動産の売出価格や成約事例等をみていると、すぐに相場が分かるようになります。

査定方式

 
 査定評価はマニュアルに従って行いますが、不動産屋になるには、査定評価の原理を理解しておくことが大切です。

 査定方式には、

 ①原価法
 
 ②取引事例比較方式

 ③収益方式

の3つがあります。 

①原価法

 建物を新築する場合の価格(再調達原価)を求め、そこから経過年数に応じた減価修正を行い、現在の価格を求める方法です。中古の戸建て住宅の査定に適しています。

 一般的な中古住宅であれば、建物は、原価方式での査定が基本です。もっとも、建物にまだ相当な価値がある場合は、取引事例比較方式でも算出してみて、原価法で算出した価格と比較して見るなどしながら、補正要素をじっくり考えてみる必要があります。

国税庁建築単価 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tebiki2017/kisairei/joto/pdf/013.pdf
国税庁 耐用年数表 https://www.keisan.nta.go.jp/survey/publish/34255/faq/34311/faq_34354.php

②取引事例比較方式

 対象となる不動産と類似した取引事例を探し、地域要員や個別要員の比較を行った上で、㎡あたりの単価を求める方法です。土地やマンションの査定に適しています。

 土地であれば、近隣の取引事例から1㎡あたりの価格を求め、それに面積を乗じるということになります。
 つまり、単純化していえば、

  査定価格 = ㎡あたりの単価 × 土地面積(㎡) 

ということです。

 実際には、これに土地の形状などの補正要素を検討して修正を行います。例えば、事例地より形状が良いので10%プラスするとか、事例地より形状が悪いので10%マイナスする、といったことです。

 成約事例はレインズ等から収集できます。もっとも、成約事例が相場から外れていることもありますので、事例地の選定には注意が必要です。

 路線価 × 土地面積(㎡)でも計算してみるなどして、そこから大きく乖離しているようであれば事情をよく検討するなどして、相場を外さないように気をつけます。

 あまり適切な近隣の成約事例がないが、成約はしていない売出し物件はある場合、売出中の業者に電話をして、引き合い状況などを確認するなどしていけば、適切なところが見えてくることもあります。

③収益方式

 不動産から生み出される収益に着目する方法です。収益を還元利回りで割り戻すことにより収益からみた不動産の価値を求める方法です。賃料設定が可能な物件や地域であれば、戸建て住宅でも適用できます。

 単純化していえば、
  
 評価額=1年間の純利益÷還元利回り

ということにになります。実際には、補正要素を検討して修正を行います。

行政書士の稼ぎ方

行政書士の稼ぎ方

行政書士の集客スタイル

 会社員を辞めて行政書士になる場合、どのような稼ぎ方が可能なのでしょうか? 

 行政書士の集客スタイルでもっとも一般的なのが、行政書士業務は一通り何でもやりますというスタイルです。
 
 ホームページには、「建設業・宅建業・産廃ほか各種許認可、自動車登録変更抹消、車庫証明、遺言・相続手続支援、内容証明、永住許可・帰化申請…」、などと延々と書き連ねることになります。これではあまり特色を出せず訴求力はなさそうですが、何らかの依頼を、どこでもいいから近所の行政書士に頼みたくて探している人は、このホームページを確認してから来ますので、取りこぼしが無いように列記していおくことは、必要なのかもしれません。

 士業の集客では、専門サイトはとても有効な手段です。列記型のメインのホームページのほかに、専門性を打ち出したサイトを作ると問い合わせはまるで違ってきます。

 専門性をアピールするため、各事務所、様々な工夫をしています。

許認可専門パターン

 行政書士の王道、許認可業務。なかでも件数が多い、建設業専門をアピールする事務所は多数あります。許認可は、単価も高く、専門サイトで集客するには適した業務です。地域の需要や競合事務所のサイト戦略を確認してから、自分がどこに専門性を置くかを検討して制作すべきです。

http://www.chuogyosei.com/
https://www.k-kyoka.com/
http://www.kensetsu-e.com/
http://s-regal-office.com/kensetugyou.html

 産廃許可専門をかかげるところもあります。

http://yoshijima-sanpai.com/%EF%BC%91%EF%BC%91%E4%BA%BA%E3%81%AE%E7%94%A3%E5%BB%83%E8%A8%B1%E5%8F%AF%E5%B0%82%E9%96%80%E8%A1%8C%E6%94%BF%E6%9B%B8%E5%A3%AB%E4%BA%8B%E5%8B%99%E6%89%80/
http://www.kankyo-consul.com/
http://sanpai-center.com/

 もちろん運送業専門をかかげるところもあります。

https://kamotsu.sigma-office.jp/
https://unsapo.com/

自動車手続でアピールする

 許認可と並ぶ行政書士の重要業務自動車手続き。
 許認可専門は特定の時期に仕事の集中しがちですが、自動車は通年で売上げを得やすい仕事です。

http://www.kizuna-group.com/
http://www.e-shinnsei.com/
http://www.keyaki-oss.com/

交通事故分野の専門性をアピールする

 自賠責の被害者請求自体は行政書士にも可能な業務ですが、大阪高裁平成26年6月12日判決は将来紛議が生じることが不可避な事案については、弁護士法違反となり、行政書士と依頼者の準委任契約は無効になると判示しました(https://wp.me/pabbNt-qS)。行政書士による被害者請求自体が否定されたわけではないですが、今後は行政書士の関与は減少していくものと見込まれます。これから手を出す分野ではありません。

http://www.yonetsubo.or.jp/
https://www.g-sugiura.com/
http://gy.haba-office.net/index.html
http://ayumigyousei.com/

経歴を生かしてアピールする

 行政書士の場合、前職を活かした業務をして、専門性をアピールすることも多くなっています。
 元建設会社勤務の人が建設業許認可を、元自動車ディーラー等勤務の人が自動車手続きを、元損害保険会社勤務の人が自賠責被害者請求などを得意とするケースが多くなっています。
 
 おもしろいところでは、元銀行員の人たちが、融資・資金調達などの業務を手掛けることでしょうか。
 どこをどうすれば融資を受けられるかに精通した資金調達のプロが、創業計画書からをサポートして、融資を受けるアドバイスと書面作成をする業務です。元銀行員や元信金マンですと、この業務をするのに大変説得力がありますね。
 
http://www.iwajimu.jp/
http://www5e.biglobe.ne.jp/~stbank/index.html
https://www.gyosei223.com/yuushi

家系図

 家系図製作は行政書士業務ではなありませんが、行政書士が得意とする業務ですね。

https://www.higuchi-office.net/
http://www.5senzo.net/6ir.html
https://no1kakeizu.com/

 全国から仕事を集客できるというメリットがあります。
 その分、全国的な価格競争にさらされることもありますが、付加価値をつけたサービスで対応するしかないですね。

株式会社設立の法律知識

株式会社設立の法律知識

 会社設立登記は、司法書士の業務です。

発起設立と募集設立がある

 発起人がすべての設立時発行株式を引き受けるのが発起設立。発起人以外も設立時発行株式を引き受けるなら募集設立となります(会25条)
 司法書士が受任するものは、ほとんどが発起設立ですので、発起設立を中心に受任の準備をしておく必要があります。

定款の作成

 株式会社を設立するには、発起人が定款を作成し、その全員がこれに署名し、又は記名押印しなければなりません(会26条)。そして、この定款は公証人の認証を受けなければ、その効力は生じません(会30条)。

 定款の絶対的記載事項は、

 ①目的
 ②商号
 ③本店の所在地
 ④設立に際して出資される財産の価額またはその最低額
 ⑤発起人の氏名または名称及び住所

です。

 このほか、発行可能株式は、株式会社の成立の時までに、定款で定めなければなりません。
 
 参考になる定款の記載例として、

 日本公証人連合会 定款記載例 http://www.koshonin.gr.jp/format

があります。

定款の認証

 株式会社の設立の定款は、公証人の認証を受けなければ、効力を生じません(会社法30条第1項)。

 公証人の認証を受けた定款を変更できるのは、以下の場合に限定されています。
 
・裁判所が現物出資財産等についての定款の記載を不当として、変更決定をした場合
・上記の決定の確定後一週間以内に、発起人の全員の同意によって決定された事項についての定めの廃止をする場合
・発行可能株式総数の定めの設定もしくは変更
・創立総会決議による変更

発行可能株式総数

 発起設立の場合は、定款で定めるか、発起人全員の同意で定めます。
 募集設立の場合も、定款で定めるか、発起人全員の同意で定めます。ただし、設立時募集株式と引換えにする金銭の払込みの期日またはその期間の初日のうち最も早い日以後は、創立総会の決議によって定めます。
 

発起人が定める事項

【原則】
 発起人の頭数の過半数で定めることになります。

【発起人の全員の同意で定める事項】

・発起設立の場合で発行可能株式総数を定める場合
・発起人が割当てを受ける設立時発行株式の数(会32条)
・発起人が設立時発行株式と引き換えに払い込む金銭の額(会32条) 
・成立後の株式会社の資本金及び資本準備金の額に関する事項(会32条)
・種類株式発行会社について、定款で株式の内容の要綱を定めた場合には、その具体的内容(会32条)
・募集設立の場合で設立時発行株式を引き受ける者の募集をする旨及び設立時募集株式に関する事項

【発起人の議決権の過半数で定める事項】

・発起設立の場合の役員の選任及び解任(設立時監査役を解任するときは発起人の議決権の3分の2)

発起人の出資の履行

 
 発起人は、その引き受けた設立時発行株式につき、遅滞なく、その出資にかかる金銭の全額を払い込まなければなりません(会34条)。「遅滞なく」ということで、期日や期限は法定されていません。

創立総会の決議要件

 創立総会の決議は、当該創立総会において議決権を行使することができる創立時株主の議決権の過半数であって、出席した当該設立時株主の議決権の3分の2以上にあたる多数を以てする(会社法73条第1項)ことなります。

選任を証する書面

 
 発起設立 定款又は発起人の議決権の過半数の一致があったことを証する書面
 募集設立 創立総会議事録

就任承諾書、本人確認証明書

 就任承諾書添付の印鑑証明書も含めて、通常の役員変更の場合と、ほぼ同じです。

 ・役員就任の登記
 ・代表取締役の就任登記

代表取締役の選定書面に添付する印鑑証明書

 通常の就任の場合と違い、設立の登記の際には不要です。
 

登録免許税

 本店所在地では資本金の額×1000分の7。ただし、最低額は15万円。

司法書士の魅力

司法書士の魅力



会社をやめたい

 会社員以外の仕事ないのかなあと考える理由は人それぞれ、その理由も一つではなく複数あるのが普通です。「異常な上司に当たってしまった」「会社のビジネスの10年先が見えない」「従業員が薄給で働くことを前提としたビジネスモデルに絶望」「若い時だけで使い捨てにされそう」「組織に合わない」「今の給料で全国転勤は勘弁してほしい」。
 
 会社内でフリーになって需要のあるスキルが身につく分野の仕事をしていた人であれば、その仕事でフリーランスになることができます。しかし、そうでない人が会社員以外の仕事ないのかと考えた場合、多くの人が一度は士業の可能性に目を向けるのではないでしょうか。

 士業は、会社員類似の営業・オフィスワーク的なもので、個人で独立して営業して成立している職種です。会社員を辞めてほかの仕事をしたいときに、親和性が高いのが士業です。

 飲食などでの自営も考えるでしょうが、飲食店は設備投資にかかる初期費用が小さくない。そして、参入規制がないので過当競争の感は否めない。大資本のチェーンとも戦わなければならない。そこそこお客さんが入っているのに、3年程度で消えていく飲食店を、何度も見てきたはずです。もちろん、それでも志が飲食にあるというのであれば、そちらに向かうべきでしょうが、単に独立したいがための手段として選ぶのは、リスクが高いジャンルです。

 士業というと、「古びた規制産業」扱いする人もいますが、長い歴史があり、職業として成立してきたという実績があります。法的な独占分野があります。参入には資格試験という、一定の障壁があります。そして、士業の多くは、専門の法人を作ることはできますが、一般企業がそのままの姿では参入できない規制があります。大資本と競争することもありません。現代日本で、個人営業の自営が成立する条件が整っている、数少ない職種です。

主な士業

 主な独立開業系の士業には、
 
 ・弁護士
 ・公認会計士
 ・弁理士
 ・不動産鑑定士
 ・司法書士
 ・税理士
 ・土地家屋調査士
 ・社会保険労務士
 ・行政書士

などがあります。 

難易度

 上記のうち、もっとも資格試験合格が易しいのは、行政書士です。
 その次が、社労士と土地家屋調査士になります。

 弁護士・公認会計士・不動産鑑定士・弁理士・司法書士・税理士になると、多くの合格者が5年以上かけて勉強しているレベルになります。どれが難しいかは、個々人の適性等もあるので、何とも言えません。かつて、司法試験・公認会計士試験・不動産鑑定士試験が三大難関国家資格といわれました。不動産鑑定士は試験が論文式だから入っていたという側面が大きいところ、現在は人気が低迷し、受験者数も大変少なくなっています。弁護士と公認会計士は、制度上の格上感はありますが、試験の仕組みがすっかり変わりました。とくに、現行の司法試験につていは、あまりにも新規参入者が少ないため、「おそらくいまでも最難関はずではあるが、良く分からない」、というところです。
 
 これらの試験の難易度の比較については、様々な議論がありますが、司法書士が、最難関に近いレベルの難しい試験であることは確かですから、合格には数年以上の学習が必要になります。

司法書士の良いところ

①司法書士一本で生活できる

 司法書士は、司法書士業務一本で生活している人の割合が多くなっています。平均的な所得水準は弁護士や公認会計士に及ばないまでも、悪いものではありません。例えば、行政書士や社会保険労務士は、独立しても、それ一本で生活可能になる人はそれほど多くありませんし、短期での廃業者が多いのも現実です。ほかにも生活の糧を稼ぐ方法を考えながら、事業をはじめる必要があります。

②年齢は高くても問題ない

 司法書士では、30代前半の合格者は若者あつかいです。40代の合格者も一般的です。加えて、法務局を定年退官してからはじめる人もいます。年齢はあまり問題にもなりません。例えば、公認会計士は、試験に合格しても、監査法人等に就職し実務経験を積まなければなりません。数年前、公認会計士試験に合格したものの、少々年齢が高いため監査法人に就職できず、警備員をしている人の合格体験記が、ネット上を騒然とさせたことがあります。司法書士ならば、年齢が高ければ、配属研修で実務を見たら、すぐに独立すれば良いだけのことです。もともと異業種からの脱サラ組が多く、どの世界から入っても浮くことはありません。不動産決済の立会なども、ある程度の年齢のほうが、信用を得やすい面があります。
 
③大学院は不要

 司法書士は、受験のために学校に行く必要はなく、試験内容自体が実務的・専門的であるため、合格後は短期の研修のみで、即独立して成り立っている人が多い資格です。例えば、弁護士になるための司法試験は、(予備試験という例外ルートはありますが))受験のためにロースクールに通い、合格後もや司法修習があり、即独も一般的ではないため法律事務所に就職をする人がほとんどです。独立までの道のりは長く、学生が志望するならともかく、一度社会に出た人には、参入のハードルが高くなっています。

④顧問先なしで独立可能

 司法書士は、見込み客なしで独立している人がほとんどです。例えば、税理士は、顧問ビジネスなので、経験も顧客もなしでいきなり独立をするのは難しい仕事です。税理士事務所で働き、最初からある程度の見込み客を獲得してからのからの独立が通常パターンです。

⑤即独立は普通
 
 司法書士は、合格後研修を経て即独立する人は珍しくはありません。公認会計士などは制度上そのようなことはできませんし、弁護士でも即独は非常に不安視されます。税理士も、税理士事務所で稼働して実務経験を積み、一定の見込み客を確保してから独立するのが普通です。司法書士の即独のしやすさ、会社員を辞めて、早く独立して稼ぎたい人には、大きな利点です。

⑥試験は法律のみ

 司法書士の試験範囲は広く、民法・商法(会社法)・不動産登記法・商業登記法、を中心に、憲法・刑法・民事訴訟法・民事執行法・供託法・司法書士法から幅広く出題されます。10科目の法律分野をマスターするのは大変です。しかし、考えようによっては、試験の内容は法律一本です。例えば不動産鑑定士試験は、不動産の鑑定評価のほか、経済学・会計学なども学習します。土地家屋調査士試験では、法律だけでなく、測量のために数学的な学習も必要です。大学で経済学が得意であったとか、もとから数学が得意というような人にとってはアドバンテージがありますが、そうでなければ、習得が大変です。弁理士は、試験内容は法律中心ですが、実務においては機械や技術について理系の知識がないと困ることになります。一方、司法書士は、国語力以外の基本的学力は受験や実務にあまり関係ないため、どういう学歴・経歴の人であれ、参入しやすくなっています。

 以上のように、司法書士は、30代以降の脱会社員、独立開業には、非常に適した資格ではないかと思われます。
 難点は、試験合格が難しく、5年~10年勉強している人がたくさんいるという点です。もっとも、それだけの期間無職で勉強している人はまれで、最初の数年は専業で勉強し、受験レベルに達してからは働きはじめて数年後合格するとか、数年間働きながら勉強して、合格に近いレベルに達してから数年専業で勉強して合格するなどのパターンが多いようです。
 


不動産鑑定士の試験

不動産鑑定士の試験

受験資格

・年齢、学歴、国籍、関係なく受験できます。

・論文式試験は、当年の短答式試験に合格した者、及び前年・前々年の短答式試験の合格者のうち当年の受験申請において短答式試験の免除申請をした者が受験できます。

試験内容

【短答式試験】

①不動産に関する行政法規

・土地基本法、不動産の鑑定評価に関する法律、地価公示法、国土利用計画法、都市計画法、土地区画整理法、都市再開発法、建築基準法、マンションの建替え等の円滑化に関する法律、不動産登記法、土地収用法、土壌汚染対策法、文化財保護法、農地法、所得税法、法人税法、租税特別措置法、地方税法

・都市緑地法、住宅の品質確保の促進等に関する法律、宅地造成等規制法、宅地建物取引業法、自然公園法、自然環境保全法、森林法、道路法、河川法、海岸法、公有水面埋立法、国有財産法、相続税法、景観法、高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律、不動産特定共同事業法、資産の流動化に関する法律、投資信託及び投資法人に関する法律、金融商品取引法

②不動産の鑑定に関する理論

 不動産鑑定評価基準及び不動産鑑定評価基準運用上の留意事項

【論文式試験】

①民法(借地借家法、建物の区分所有等に関する法律を含む)

②経済学

 ミクロ及びマクロの経済理論と政策論

③会計学

 財務会計論(企業の財務諸表の作成及び理解に必要な会計理論、関係法令及び会計諸規則を含む。)

④不動産の鑑定に関する理論

 不動産鑑定評価基準及び不動産鑑定評価基準運用上の留意事項

合格基準

①短答式試験の合格基準

 総合点で概ね7割を基準に土地鑑定委員会が相当と認めた得点。ただし、総合点のほかに各試験科目について一定の得点を必要とする。

②論文式試験の合格基準

 総合点で概ね6割を基準に土地鑑定委員会が相当と認めた得点。ただし、総合点のほかに各試験科目について一定の得点を必要とする。なお、免除科目がある場合は、免除科目を除いた科目の合計得点を基に偏差値等を用いて算出した総合点に相応する点数を、その者の総合点として判定します。

受験手数料

 1万3000円(電子申請は1万2800円)

受験日程

・短答式試験 5月

・論文式試験 8月

合格率

 平成29年度は以下のとおり

・短答式
 申込者数ベース 24%
 受験者数ベース 32%

・論文式 
 申込者数ベース  9%
 受験者数ベース 14% 

実務修習

 試験合格後、不動産鑑定士として登録するには、実務修習を修了する必要があります。

 1年コースと2年コースがあります。

 実務修習の内容は、「講義」「基本演習」「実地演習」です。

①講義

 講義は、インターネットによる講義です。

②基本演習
 
 基本演習は、集合形式で、鑑定評価報告書の作成において通常採用される手順を、修習生自ら作成することにより、次表の内容を修得する課程です。東京において、合計10日間の演習を行います。

③実地演習

 実地演習は、不動産の鑑定評価に関する実務について、実地において鑑定評価報告書の作成を通じて評価方法を修得する課程です。

・物件調査実地演習
 土地及び建物の各1件について演習を行い、報告書を提出します。

・一般実地演習

 現実に存在する不動産を題材として、鑑定評価報告書を作成し行う演習で、修習生は、指導鑑定士から指導を受けながら演習を行い、13件の鑑定評価報告書作成を必須とし、報告書等の必要書類を提出します。

④修了考査

・口述の考査
 修了考査委員3名が受験者1名に対して、実地演習において作成した鑑定評価報告書の内容について、20分ないし30分を標準として行います。東京1会場において実施します。

・記述の考査
 多肢択一式及び論文式の方法により実施します。多肢択一式による記述の考査は、不動産の鑑定評価の実務に関する基礎的知識、種類別鑑定評価及び手法適用上の技術的知識について行います。論文式による記述の考査は、不動産鑑定評価基準及び不動産鑑定評価基準運用上の留意事項について行います。

行政書士 やらないほうが良い業務

行政書士 やらないほうが良い業務


 

やらないほうが良い業務

 



 行政書士で開業する場合、専門分野を絞りつつも、複数の得意分野を持つことが経営上有効です。そこで、許認可業務のほかにも、各人が職歴や経験を生かし工夫し、多様なビジネスモデルを展開しています。その中には、これからはじめるなら、やめておいたほうが良い業務もあります。

内容証明郵便による請求書

 

 内容証明郵便自体は、行政書士の業務として成立しうるものです。クーリングオフや、消滅時効の援用など、一方的に意思を通知するための内容証明郵便であれば、書類作成の依頼を受けても問題はありません。
 しかし、売掛金や貸金などの債権回収、慰謝料、損害賠償請求など金銭を請求する内容証明郵便は、業務として意味がないので止めておきましょう。

 行政書士事務所の中には、「行政書士名の入った内容証明郵便は相手にプレッシャーを与える」とか、「行政書士名が入ることで回収率が上がるかもしれません」、などと広告したホームページを持っている人もいますが、ナンセンスなものです。

 債権回収等の内容証明郵便は、将来の訴訟提起が前提になってこそ意味があるものです。弁護士や司法書士から内容証明郵便での請求が届けば、次は訴状が届くというメッセージになります。これなら、相手方はプレッシャーを感じ、回収率は高まるかもしれません。もし、支払いがなくても、弁護士や司法書士が、その職務権限内で訴訟提起のメニューを依頼者に提示することができます。

 他方、行政書士からの内容証明郵便による請求は、社会常識で言えば、「まだ専門家に相談していないし、裁判の準備は考えていません」、という情報を発するものでしかありません。

 「先生に内容証明を出してもらいましたが、何の反応もありませんでした、次はどうしたら良いですか?」
 「私は、次は何もできませんよ」

となる旨を正確に伝え、基本的には断りましょう。

自賠責保険被害者請求

 自賠責保険は、一定の支払基準に基づき支払いがなされるもので、直接に私人間の紛争に立ち入る性質のものではないため、その書類作成は権利義務事実証明書類として行政書士が行えるように考えられます。そこで、自賠責保険の被害者請求書類を専門に行う行政書士事務所があります。

 弁護士が現在のように増える前は、弁護士も、治療が終わり後遺障害認定結果が出る前の段階で法律相談に行っても、「費用対効果が不明なので、現状では受任が難しい。後遺障害認定の結果が出てからまた相談にきてください」、という対応も少なくありませんでした。例えば、被害者請求の添付書面である事故状況図は、道路の規制状況を確認し、幅員なども計測して、事故の状況を図面化するもので、それ自体、書類作成を得意としない人にとっては負担も大きいものです。そこで、行政書士が業務として取り扱い、自賠責保険会社に被害者請求による後遺障害認定手続きを済ませてから、その結果をもとに弁護士が相手の任意保険会社に請求するという流れで、国民の利便性を図ることができました。保険会社も行政書士を専門家として認めて、弁護士費用等特約の対象となり、報酬も支払われていました。
 しかし、近年は、弁護士費用特約の普及により、弁護士は交通事故での報酬確保が容易になったことから、被害者請求は後日の示談交渉の前提としてサービスで行う法律事務所が増えてきました。行政書士が関与する意味は薄くなっています。

 他方、行政書士の中にも、交通事故についてふさわしくない過度なアピールや、高額な成果報酬を請求をする業者がいました。そうした状況下、大阪高裁平成26年6月12日判決が出ました。これは、行政書士が交通事故の被害者と締結した自賠責保険の申請手続き・書類作成等の準委任契約は、弁護士法72条に反するものであり、公序良俗に反するため無効であるという判断です。
 この内容自体は、個別事情をならべて「将来的紛議の発生することがほぼ不可避であった」ことを前提とした判示ですから、一般的に自賠責保険の書面作成自体が不可能というわけでもないですが、解釈次第ではどこまでも波及しかねないものです。
 しかも、その内容は、少しでも認定結果が良くなるようにという方向で書類を作成しているが、それが非弁行為になるというものです。許認可が通りやすいように、少しでも要件を満たしやすくなる方向で書類を作成しても非弁にはなりませんが、権利義務事実証明書類作成業務では、このようなことがあり得るのですね。

 後日、契約が無効とされれば、報酬を返さなければなりませんし、只働きになります。そんな仕事に手を出す必要はありません。

行政書士 建設業許可の基礎

行政書士 建設業許可の基礎

建設業法

 建設業法は、「発注者の保護」を主目的とする法律です。このため、建設業をする人にとって、都合が良くなるようには作られていません。軽微な工事以外は建設業の許可を受けなればすることができませんし、建設業の許可を得るには、多くの要件を満たさなければなりません。その要件が満たされていることも、しっかり書面で証明されなければなりません。煩雑な手続きが必要となることから、行政書士への依頼がなされることになります。

建設業を行うには

 建設業を行うには、許可が必要です。

 ただし、

・1件の工事の請負代金が500万円に満たない
・建築一式工事について、請負代金が1500万円に満たない工事
・建築一式工事について、または延べ面積が1500㎡に満たない木造住宅工事

は、建設業の許可なく行えます。

 許可を得ることで、大きな工事を施工することができる仕組みになっています。

知事許可と大臣許可

 二つ以上の都道府県にまたがって営業所を設置する場合は、国土交通大臣から許可を受けます。

 一つの都道府県内で営業する場合は、営業所所在地を管轄する都道府県知事から知事許可を受けます。

一般建設業と特定建設業

 下請け保護の観点から、高額な工事を行う場合には、特定建設業の許可が必要になります。

 特定建設業許可が必要なのは、

 発注者から直接請負った工事について

・建築一式工事では6000万円以上の工事
・建築一式工事以外の工事では4000万円以上の工事

について、下請け業者に発注する場合です。
 
 特定建設業許可は、あくまで「発注者から直接請負ったもの」についての規定です。下請け業者が、2次下請け業者に仕事を出す場合は、4000万円以上の工事であっても、特定建設業の許可は不要です。

許可の有効期間

 建設業許可の有効期間は5年間。期間満了の日の30日前までに更新の申請を行う必要があります。
 適切な時期に更新手続きが必要です。

建設業の許可の種類

建設業の許可には種類があります。
 
 建築工事業
 とび・土工工事業
 土木工事業

をはじめとする以下の29種類に分類されています。

 土木工事業、建築工事業、大工工事業、左官工事業、とび・土工工事業、石工事業、屋根工事業、電気工事業、管工事業、タイル・れんが・ブロック工事業、鋼構造物工事業、鉄筋工事業、舗装工事業、しゅんせつ工事業、板金工事業、ガラス工事業、塗装工事業、防水工事業、内装仕上工事業、機械器具設置工事業、熱絶縁工事業、電気通信工事業、造園工事業、さく井工事業、建具工事業、水道施設工事業、消防施設工事業、清掃施設工事業、解体工事業。

建築一式工事とは

 原則として元請け業者の立場で、総合的な企画、指導、調整のもとに建築物を建設する工事で、複数の下請業者により施行される、大規模かつ複雑な工事。建築確認を必要とする規模の建物の新築工事や増改築のことです。

 総合的な企画、指導、調整のもとに行うわけですから、元請けとして下請けに対して工事を発注するイメージです。
 
 建築一式工事という名前ですが、この許可を取得すれば、どんな工事でも請け負うことができるというわけではありません。建築一式の許可を取得したとしても、他の専門工事で500万円以上の工事を請け負うのであれば、専門工事としての許可を取得しなければなりません。管工事、大工工事、内装仕上工事など部分的な専門工事のみを請け負う場合には、それぞれに応じた許可が必要になります。

登録免許税

 新規の場合、

・一般建設業の知事許可  9万円
・特定建設業の知事許可 18万円 

・一般建設業の大臣許可 15万円
・特定建設業の大臣許可 30万円 

です。

 更新の場合、

・一般建設業の知事許可  5万円
・特定建設業の知事許可 10万円 

・一般建設業の大臣許可  5万円
・特定建設業の大臣許可 10万円 

です。

行政書士の報酬

 日本行政書士会連合会の統計調査(平成27年度報酬額統計調査)によれば、
 
 ・建設業許可申請(個人・新規)知事許可の平均報酬
  11万8204円(最頻値が10万円)
 
 ・建設業許可申請(個人・更新)知事許可の平均報酬
  6万2939円(最頻値が 5万円)
 
 ・建設業許可申請(法人・新規)知事許可の平均報酬
  13万8779円(最頻値が15万円)

となっています。

 新規の知事許可であれば、個人業者で10万円、法人であれば15万円程度の報酬を取ることができます。事案の難易度によっては、もう少し高額にせざるを得ない場合もあります。

一般建設業の許可要件

 一般建設業の許可を受けるには、

・経営業務の管理責任者がいること
・営業所に専任の技術者がいること
・誠実性があること
・財産的基礎または金銭的信用があること
・欠格要件に該当しないこと

の要件をすべて満たす必要があります。

 特定建設業の許可を受ける際には、上記要件のほか、さらに厳しい要件を満たす必要があります。

建設業許可要件
建設業許可 経営業務の管理責任者 
建設業許可 専任の技術者とは 
行政書士 建設業許可の基礎 
行政書士の知識(建設業会計の基礎) 

司法書士 解散・清算の登記

司法書士 解散・清算の登記

ゆりかごから墓場まで

 解散・清算は商業登記がなされる案件ですので、主に司法書士が取り扱います。司法書士という職業は、会社の設立から、平常営業時の役員・株式・資本金などの様々な変更、そして解散・清算・清算結了まで関与することになります。

 一方、破産などの倒産処理については裁判所案件になるため、主に弁護士が対応します。司法書士は、法人の自己破産申立について、書類作成することは権限上は可能です。しかし、直近まで活動していた会社の自己破産申立は、申立前の財産保全、売掛金の回収、労働者や、一般債権者への対応などに代理人でないことに伴う困難が生じやすいことから、受任はなされないケースが多いものと考えられます。もっとも、数年間営業しておらず、本店の後片付けが完了しており、債権者も銀行や保証会社のみで、ただ負債と法人格だけが残っているというような事案などは、司法書士でも問題ありません。

株式会社の解散事由

 株式会社の解散事由には以下のものがあります。

①株主総会の特別決議
②定款で定めた存続期間の満了
③定款で定めた解散事由の発生
④合併
⑤破産手続開始決定
⑥裁判所の解散命令、解散判決
⑦休眠会社としての解散の擬制

 このうち、①②③の場合について、清算人が解散登記の申請をします。
 ④は、存続会社または設立会社の代表者からの申請によります。⑤⑥は裁判所書記官からの嘱託によります。
 

解散を証する書面

 解散登記の添付書面としては、

①の株主総会特別決議による場合は、株主総会議事録を添付します。
②の定款で定めた存続期間の満了の場合には、存続期間は登記事項なので、登記記録を見れば分かることですから、添付書面は不要です。
③の定款で定めた解散事由の発生の場合は、解散事由の発生を証する書面を添付します。
 

清算人

 株式会社の清算人となるのは、

①定款で定める者
②株主総会の決議によって選任された者
③解散時の取締役
④利害関係人の申立てにより裁判所が選任した者

 ①の定款で定める者も、②の株主総会決議によって選任された者もいない場合に、③の解散時の取締役が清算人(法定清算人)となります。

費用

 
 解散の登記の登録免許税は3万円です。清算人については、最初の清算人の登記については9000円です。 

 

清算人登記の添付書面

①定款
 株式会社の清算人の登記の申請書には定款を添付します(商業登記規則73条1項)。特例有限会社の場合は不要です。

②株主総会議事録
 株主総会決議によって選任された場合は添付します。

③就任承諾書
 定款で定める者が清算人となる場合、株主総会決議によって選任されたものが清算人となる場合、清算人の就任承諾書を添付します。
 法廷清算人や裁判所が選任した清算人の場合は、就任承諾書は不要です。

④裁判所の選任審判書
 裁判所が選任した者が清算人に就任する場合に添付します。

⑤代表清算人の選定を証する書面
 代表清算人を定めたときは添付します。
 

監査役

 監査役設置会社の場合は、解散しても、解散前の監査役が引き続き監査役となります。清算手続に入ったからといって、監査役の地位を失いません。

司法書士 特例有限会社の登記

司法書士 特例有限会社の登記

特例有限会社とは

 特例有限会社は、平成18年、会社法の施行により有限会社法が廃止された後に、残った有限会社のことです。法律上は株式会社の一種という扱いで存続しています。
有限会社は、もう現在は新たに設立することができません。従って有限会社設立登記の依頼はありませんが、まだまだ存続している会社は多く、現在も、登記の仕事があります。特例有限会社から通常の株式会社への移行も司法書士業務の一つです。

特例有限会社の特徴・注意点

①特例有限会社には、株主総会と取締役を置くことが義務付けられています。このほかに定款の定めによって置くことができるのは監査役です。取締役会・監査役会・会計監査委人は置くことができず、監査等委員会や指名委員会を設置することもできません。

②特例有限会社の役員(取締役、監査役)には、定款で定めない限り、任期がありません。

③通常の株式会社では、代表取締役について住所が登記されますが、特例有限会社は、取締役や監査役について住所が登記されます。代表取締役の住所は登記されません。

④通常の株式会社では、代表取締役は必ず登記されますが、特例有限会社の場合は、会社を代表しない取締役がいる場合に限り登記されます。

⑤特例有限会社は、貸借対照表の公告義務がありません。
 
⑥特例有限会社の特別決議は、総株主の半数以上で、当該株主の議決権の4分の3以上とされています。通常の株式会社の特別決議の要件(議決権を行使することができる株主の過半数が出席し、出席した株主の3分の2以上の賛成)により格段に重くなっています。
 

通常の株式会社への移行

 特例有限会社は、定款を変更して、商号に株式会社という文字を入れた上で、登記をすることによって、株式会社に移行します。定款変更の決議は、上記⑥の特別決議です。
 この場合、定款変更の株主総会決議のから2週間以内に、有限会社については解散の登記を、株式会社については設立の登記をします。
 有限会社については、登記の事由は「商号変更による解散」、登記すべき事項は「年月日東京都…有限会社〇〇〇〇に商号変更し、移行したことにより解散」。
 株式会社については、登記の事由は「年月日商号変更による設立」、登記すべき事項は、通常の設立登記における事項一式を記載します。

 登録免許税は、解散については3万円。設立については、資本金の額×1000分の1.5(商号変更直前の資本金の額を超える部分は1000分の7)です。

添付書類

 株主総会議事録と(商号変更後の)定款を添付します。

 その他、商号変更時に役員変更が生じた場合は、役員変更の添付書類を用意します。

弁護士の仕事 任意整理

弁護士の仕事 任意整理

 弁護士や司法書士の仕事の債務整理。10数年前に多重債務者が大きな社会問題化したころのような受任件数はありませんが、街の弁護士になれば、年に数件は取り扱う日常的な業務です。

受任

 サイト集客、法テラス、各種相談会経由で、法律相談が入ります。その他、顧問先から従業員の借金問題について頼まれるなど、受任ルートは様々です。

法律相談

 債権者、負債額、取引開始時期、債務増加の原因などをヒアリングします。

 その結果をもとに、

 ・任意整理
 ・自己破産
 ・個人再生
 ・特定調停

などのメニューの中から、選択肢を提示します。

 2010年以前から借入があり、利息制限法超過の取引部分があるため減額や過払いなどの可能性があるため方針選択ができない場合は、ひとまず任意整理を前提とした委任を受けて債権調査を行い、債権調査の結果が出た後で、あらためて法律相談の機会を持ち任意整理か自己破産かなどのた方針決定をすることもできます。
 
 任意整理を前提とする場合は、受任時に、債務者と、毎月〇万円などの形で預り金の約束をします。この預入れは、弁済原資に使用します。支払い停止から弁済開始までの間の浪費を抑制するだけでなく、頭金などに使えるため和解交渉がスムーズに行えます。約束した預入れができるかできないかで、任意整理が実際に行えるケースかどうかの判断基準にもなります。本人が自己破産は避けたいといっても、各月の積立がほとんどできなければ、それなりの選択をしてもらう必要がでてきます。

受任通知

 
 債権者に書面で受任通知を送付します。
 
 受任通知には、

 ・委任者の住所氏名
 ・代理人に就任した旨
 ・今後債務整理を行う旨
 ・取引履歴の開示を求める旨
 ・直接取り立ては止めるよう要請
 
などを記載します。

 委任者について債権者が把握している住所と、現在の住所が違う場合は、債権者が債務者を特定できるように旧住所を記載します。この場合、現在の住所を知られないように、あえて現在の住所を書かないということも考えられます。

 相手からの問い合わせには、債権調査完了後、こちらから方針をご提案すると回答します。自己破産で間違いない場合は、最初から自己破産の方針と伝えたほうが、進捗の問い合わせがなくなり、無用な電話対応の手間が減少します。

債権調査

 2週間~2ヶ月程度で取引履歴が届きます。
 内容を確認して、正確な負債額を確認します。
 取引期間中に、利息制限法を超過する部分があれば、引き直し計算を行います。
 常識的な期間を経過しても、取引履歴が届かない場合には、再度請求します。
 負債額が確定したら、依頼者と打ち合わせをしたうえで、債務整理の方針を決定します。任意整理が不可能なほどに負債額が大きければ、依頼者と相談の機会を設け、自己破産等の選択肢を提案します。自己破産であれば、直ちに書面作成の準備を行います。過払いが発生していれば、その債権者には請求書面を送付します。
 

和解の提案

 任意整理が可能なら、残元金ベースで、各社に分割弁済の提案を書面で行います。通常、36回(3年)~60回(5年)の範囲です。

 相手が貸金業者や信販会社のような業者なら、和解を希望する旨と、

 ・弁済総額 残元金120万2589円
 ・支払開始日 〇年〇月〇日
 ・60回分割弁済
 ・第1回弁済 2万2589円
 ・第2回~第60回  2万円
 
などとシンプルに提案内容を列記すれば足ります。
 
 相手が一般債権者であれば、事務的になり過ぎないよう、挨拶文や債務者の状況などに十分工夫を凝らす必要があります。

示談交渉

 こちらから和解の提案をしたら、相手からのリアクションを待ちます。
 相手が、そのまま応諾する場合は、和解書をどちらが作成するか決めます。相手が業者であれば「こちらで作りたい」というケースが多くなります。和解が電話でまとまったら、郵送で和解書を取り交わします。相手が貸金業者や信販会社であれば、期限の利益喪失条項(2回以上の延滞で期限の利益喪失、延滞利息〇%)との条項を求められますが、常識的な範囲で応諾することになります。

 相手が応諾しない場合は、相手のリアクションに応じて、提案内容などについて、微調整を行います。任意整理においても、債権者平等を害さないように、可能な限り全債権者同一条件での和解を目指します。数社のうち一社だけまとまらないということはよくありますので、先に和解がまとまった業者への弁済を開始し、まとまらない業者については、毎月の積立てにより債務者からの預り金が増えた分を第1回の弁済額にプラスして、弁済回数を毎月減らしていくなどしながら、提案を続けて、相手が折れるのを待つこともあります。